第5回「リビルド・ウクライナ」がワルシャワで開催、各国は官民連携プロジェクトを加速
(ポーランド、ウクライナ、日本)
ワルシャワ発
2025年11月21日
ウクライナ復興をテーマとする第5回国際展示会&会議「リビルド・ウクライナ
:建設&エネルギー(ReBuild Ukraine: Construction & Energy)」が11月13~14日、ポーランドのワルシャワで開催された。会期初日の参加者は6,000人を超え、33カ国からの762の企業やウクライナの160の自治体が参加した(ウクライナ経済・環境・農業省発表11月14日)。
会場には、ウクライナ経済・環境・農業省が主導するパビリオン「Ukraine and its Communities」や、エネルギー省が統括する「Energy of Ukraine」など、ウクライナの復興計画を発信するエリアが設置され、ウクライナの自治体や国営企業を含む多くの出展者が具体的な再建プロジェクトや投資機会を提示した。
欧州を中心とした参加国・地域によるナショナルパビリオンは、前回2024年(2024年11月21日記事参照)の19から23に増加した。ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スウェーデン、スイス、台湾、米国などの国・地域がパビリオンを構えた。各国企業は関係機関と共に復興支援の取り組みを発信し、来場者との面談を行った。特に北欧、西欧勢はエネルギー、建設、インフラ、地方自治体連携などの分野で大型の共同展示を行い、技術、資金面での貢献姿勢をアピールした。
会場の様子(ジェトロ撮影)
日本からは、ヒートポンプ暖房事業などを展開しているパナソニック、重量物輸送・重機揚重建設・風力発電建設事業などを手掛けるDENZAIなどの数社が出展した。
ウクライナへの復興支援に積極的に取り組んでいるパナソニック・ウクライナの寺島浩司社長は、「昨今のロシアによるエネルギー関連施設への攻撃により、ウクライナでは電力・暖房の確保が困難な状況になっている。2カ月前に生産を開始したばかりのチェコ新工場(2025年9月11日記事参照)から、最先端のヒートポンプ技術を提案できたので、とても良い機会になった」と述べた。
DENZAIは2025年5月、キーウ市内に100%子会社「DENZAI Ukraine(DENZAIウクライナ)」の設立を発表
している。
リビルド・ウクライナの会期中には、EU加盟、エネルギー、建設といった個別のテーマに焦点を当てたフォーラムも多数実施された。エネルギー復興に関するフォーラムでのパネルディスカッション「ガバナンスと国際支援」では、経済産業省通商政策局の辻阪高子審議官が登壇し、「ウクライナ復興のための日本の支援と経済産業省のイニシアチブ」と題したプレゼンテーションを行った。同省による「ウクライナ復興支援・中東欧諸国等連携強化事業
」や、国連工業開発機関(UNIDO)に予算を拠出して実施する「グリーン産業復興プログラム
」、ウクライナへのビジネスミッション派遣などの例を挙げ、官民連携によるウクライナ復興支援の重要性を説明し、欧州とのさらなるパートナーシップに対する期待を述べた。
エネルギー復興に関するパネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)
(余田知弘)
(ポーランド、ウクライナ、日本)
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