中国中部地域4省の1~9月経済指標、中国全体の経済成長率を上回る

(中国)

武漢発

2025年11月10日

中国の中部地域4省の各統計局が10月21日(湖北省)および22日(河南省、湖南省、江西省)に発表した2025年1~9月の経済指標によると、各省の域内総生産(GRP)成長率は、湖北省が前年同期比6.0%、河南省が5.6%、湖南省が5.4%(注1)、江西省が5.4%となり、いずれも中国全体の経済成長率(5.2%、2025年10月22日記事参照)を上回った(添付資料表参照)。

湖北省では、固定資産投資が6.5%増で、特に製造業の投資が12.5%増と大幅に増加した。不動産開発投資は6.1%減と減少したものの、新築住宅販売面積は6.2%増だった。消費では社会消費品小売総額が5.2%増で、消費財買い替え政策の影響も受け、家具類(57.9%増)、家電・音響機器(21.6%増)、コンピュータ・同関連製品(14.3%増)などが大きく増加し、スポーツ・娯楽用品も59.9%増の大幅な伸びを見せた。輸出入では、輸出が30.8%増、輸入が14.0%増となり、輸出額の約5割を機械類、電気・電子機器製品が占めた。

河南省では、固定資産投資が4.5%増、中でも投資額1億元(約22億円、1元=約22円)以上の大規模投資案件が8.4%増と、全体を牽引した。社会消費品小売総額は6.2%増となり、小売額はスマートフォン(73.2%増)、ウエアラブル端末(84.8%増)、家電・音響機器(22.6%増)、新エネルギー車(NEV、17.0%)などが大きな伸びを見せた。

湖南省では、不動産開発投資の減速を受け、固定資産投資が2.3%減となった。一方、社会消費品小売総額は5.5%増と、消費面では堅調な伸びを見せた。一定規模以上の卸売・小売業企業(注2)による小売額の増減を商品別にみると、食品類(11.7%増)、飲料(13.0%増)、日用品(8.2%増)など、生活関連商品の消費が伸びた。

江西省では、固定資産投資が2.6%増、社会消費品小売総額が5.2%増だった。小売総額の伸びを品目ごとにみると、文化事務用品類57.8%増、通信機器類43.8%増、家電・音響機器39.8%増、家具類32.0%増と、それぞれ大幅に伸びた。

中国中部地域4省と全国の経済指標を比較すると、固定資産投資は湖南省を除く3省で全国平均を上回ったほか、社会消費品小売総額の成長率は4省ともに全国平均を上回った。

(注1)湖南省の2025年1~9月のGRPは4兆241億元(約88兆5,302億円、1元=約22円)で、同省では1~9月までの実績として初めて4兆元を超えた。

(注2)営業利益が一定規模に達している卸売・小売産業、ホテル産業、飲食産業に属する企業を指す。

(廣田瑞生)

(中国)

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