ジェトロ、ホーチミンで日系企業の脱炭素分野技術を紹介するイベントを開催

(ベトナム)

ホーチミン発

2025年11月27日

ジェトロは11月7日、ベトナムのホーチミン市内で、在ベトナム日本大使館とホーチミン日本商工会議所(JCCH)、ベトナム国家イノベーションセンター(NIC)と共催で、日系企業の脱炭素分野の取組みをテーマとした日本企業と海外企業との交流イベント「Japan Net Zero Innovation Showcase」を開催した(注1)。ベトナムの脱炭素化に貢献するソリューションを開発・提供する日本の企業・スタートアップ5社が登壇した。会場とオンラインのハイブリッド形式で合計約150人が参加した。

イベント登壇企業5社の社名および発表テーマの概要は次のとおり(注2)。

  1. ベカメックス東急(BECAMEX TOKYU):カーボンニュートラル実現に向けた「持続可能でスマートな都市づくり」
  2. アイエイチアイ(IHI): グリーン燃料アンモニアのバリューチェーン構築
  3. スペースクール(SPACECOOL): エネルギーを使わない放射冷却素材
  4. サグリ(Sagri):衛星データと人工知能(AI)を活用した農地の土壌・炭素管理
  5. ゼロボード(Zeroboard):温室効果ガス排出量の可視化と脱炭素化支援

ベトナム政府は、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目指しており、制定された「2050年までの気候変動に関する国家戦略」では、再生可能エネルギー、省エネ、水素などの重要分野を指定し、エネルギー移行に向けた取り組みを強化している。

アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)(注3)の下では、日越協力プロジェクトが進行するなど、日越官民による取り組みも進められている。​ジェトロも2025年9月に「脱炭素に取り組む日系企業ビジネス集」を作成し、日本語・英語・ベトナム語の3言語で公開した。再生可能エネルギーの導入、産業分野における省エネなど、ベトナムにおける脱炭素化を実現するための日系企業の商品・サービスを取りまとめ、紹介している。今回のイベントでは、ジェトロから同ビジネス集の紹介も実施。イベント後の交流会では登壇者と参加者との交流のほか、登壇者同士のコラボレーションの話が進むなど、日本企業によるベトナムの脱炭素化への貢献に期待ができるイベントとなった。

写真 登壇企業の集合写真(スペースクールはオンライン登壇、ジェトロ撮影)

登壇企業の集合写真(スペースクールはオンライン登壇、ジェトロ撮影)

写真 ピッチの様子:BECAMEX TOKYUの西村怜央Executive Director(ジェトロ撮影)

ピッチの様子:BECAMEX TOKYUの西村怜央Executive Director(ジェトロ撮影)

写真 ピッチの様子:ゼロボードの鈴木慎太郎Head of APAC Regional Business(ジェトロ撮影)

ピッチの様子:ゼロボードの鈴木慎太郎Head of APAC Regional Business(ジェトロ撮影)

(注1)同イベントは、2024年3月に始まった日本とベトナムの官民連携の枠組み「新しい日越共同イニシアチブ」のうち、「イノベーション/DX推進」をテーマに行うプロジェクト日本企業と海外企業との交流イベント「Inno Vietnam-Japan Meetup」シリーズの第15弾となる(2024年5月10日記事参照)。

(注2)添付のイベント概要資料に、各社の概要を掲載している。この記事に登場する企業への取り次ぎを希望する場合は、ジェトロ・ホーチミン事務所(VHO-PRO@jetro.go.jp)まで連絡を。

(注3)パートナー国11カ国が参加し、域内のカーボンニュートラル/ネットゼロ排出に向けた協力のための枠組み。

(成瀬亘作、三木貴博)

(ベトナム)

ビジネス短信 8445c4432a331e48