米フォード、自動車販売サイト「アマゾン・オート」で認定中古車の販売を開始

(米国)

ニューヨーク発

2025年11月26日

米国自動車メーカーのフォードは11月17日、オンライン自動車販売プラットフォーム「アマゾン・オート」で、自社の認定中古車(CPO)プログラム「フォード・ブルー・アドバンテージ」の掲載を開始外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますすると発表した。消費者は同サイト上で、プログラムに参加するディーラーの在庫検索、車両価格の確認、見積りや融資手続きなどを完結できる。購入後の車両受け渡しやアフターサービスは、地元フォードディーラーが担当する。まずは、カリフォルニア州ロサンゼルス、ワシントン州シアトル、テキサス州ダラスの3都市で先行開始し、その他地域への展開も計画されている。

フォード・ブルー・アドバンテージの対象車両は、「ゴールド・サーティファイド」〔走行年数6年以内、走行距離8万マイル(約12万8,000キロ)未満〕、「ブルー・サーティファイド」(10年以内、15万マイル未満)、「EVサーティファイド」(6年以内の電気自動車)に区分され、それぞれに点検・保証内容が定められる。また、購入後14日あるいは1,000マイル以内の返金保証も提供する。

今回の取り組みの背景には、EC(電子商取引)プラットフォームを活用した自動車販売の広がりがある。フォードに先立ち、韓国の現代自動車は2023年11月、アマゾンとの戦略的提携を締結し、2024年から同サイトでの新車販売の開始を発表(2023年11月20日記事参照)した。サイト上での車両検索や支払い方法の選択を可能とする一方、車両引き渡しはフランチャイズ法(注1)に基づき地域ディーラーが担う点を明確化した。2025年11月21日時点で同サイトでは、新車とCPOに関しては現代、メーカーの認定を受けていないその他中古車に関しては、ゼネラルモーターズ(GM)やトヨタなどを含む21モデルが販売されている(注2)。

今回のフォードの発表を受け、オンライン上で、車両情報・保証内容の確認および購入手続きを完了させ、受け渡し・アフターサービスは地域ディーラーが担当する、という販売モデルの利用者が増える可能性は高く、中古車販売の押し上げ要因となるか注目される。

(注1)メーカーによる直販の制限などを含む州法。

(注2)地域により購入可能車両が異なる。

(大原典子)

(米国)

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