第8回中国国際輸入博覧会の出展企業数は過去最大の見込み

(中国)

上海発

2025年11月07日

11月5日から10日にかけて、中国・上海で第8回「中国国際輸入博覧会(CIIE、以下、上海輸入博)」が開催される。

中国国務院新聞弁公室は10月28日、中国商務部、上海市政府、中国国際輸入博覧局とともに上海輸入博について記者会見を行った。同記者会見によれば、今回の上海輸入博は過去最大となる43万平方メートル以上の面積で開催され、155の国・地域および国際機関、海外企業4,108社が参加予定となっている。なお、企業展示は「医療機器・医薬保健」「自動車・スマートモビリティ」「技術装備」「消費財」「農産食品」「サービス貿易」からなる6大展示エリアと、「イノベーション・インキュベーション」エリアで構成される。また、同時開催される虹橋国際経済フォーラム(以下、虹橋フォーラム)では、33の分科会およびクローズド会議や、商談会・投資促進など80件以上の関連イベントが開催される予定だ。

記者会見の中で、今回の上海輸入博の特徴として次の4つが挙げられた。

(1)対外開放を堅持した開催方針:中国市場を世界が共有できる大市場に育て、世界各国と発展の機会を分かち合うという考えのもと、商務部が創設する「共有大市場・輸出中国」ブランドの「輸出中国」部分について、タイ、アラブ首長国連邦(UAE)、ナイジェリア、ジョージア、スウェーデン、コロンビアの6カ国を主賓国に迎え始動式典を開催。

(2)イノベーション成果共有の推進:461件の新製品・新技術・新サービスを展示。低空経済、人型ロボットなどの未来産業に加え、次世代情報技術、人工知能(AI)、グリーン・低炭素分野における世界的なリーディング企業が最新の成果を展示する。また、シルバー経済、氷雪経済などの新しいテーマも取り入れ、デジタル消費や健康消費といった新たなプラットフォームを活用することで、消費の拡大と新しい形態の発展を支援する。

(3)各方面での実務的協力の積極的な促進:展示面積と出展企業総数がいずれも過去最大となる予定であることに加え、産業用電気設備、穀物、医療分野などの世界の有力・リーディング企業も参加予定。専門家の来場登録者数は44万9,500人に達する。11月5日から、「ショッピング・イン・チャイナ(購在中国、注)」の年間の目玉イベントとして「2025中国国際プレミアム消費月」を開始する。

(4)中国への需要と世界の期待の両立:「一帯一路」共同建設国との連携を積極的に促進し、前年比23.1%増の123カ国からの参加を予定。アフリカの後発開発途上国(LDC)に対する市場開放のため、アフリカ製品専用エリアを拡充するほか、中国と国交を持つLDCに対する無関税政策を十分に活用できるよう支援する。加えて、虹橋フォーラムにおいて、「グローバルサウスの経済レジリエンス強化」と「グローバルサウスの農業持続可能性」をテーマに討論を実施する。

なお、ジェトロも過去7回に続き今回も出展し、「酒から始まる新たな世界の発見」をテーマにJAPAN MALLブースを設置する(2025年10月29日付「お知らせ・記者発表」参照)。

(注)中国商務部が主導する消費促進キャンペーン。国内市場の活性化と国際消費の融合を目的とする。

(伊藤彩菜)

(中国)

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