ボリビア大統領が就任演説、経済立て直しと国際社会復帰を優先課題に
(ボリビア、中南米)
リマ発
2025年11月14日
ボリビアの大統領選挙(2025年10月21日記事参照)で当選した、中道のキリスト教民主党(PDC)のロドリゴ・パス氏の大統領就任式が11月8日行われた。就任式の演説では、疲弊した経済の再生と国際社会への復帰を優先課題とすることを表明した。
パス大統領は、左派・社会主義運動党(MAS)による政権運営により、誤ったイデオロギーに基づく国家支配と国際社会からの孤立が約20年続いたと言及し、自身の任期の5年間は「権力のためではなく、国家と国民へのサービスのためにある」と述べ、国民の自由、民主主義、法の尊重、団結を国民に呼びかけた。
経済面について、ボリビア経済の85%がインフォーマルセクターで、インフレは過去40年で最悪の状況にあり、ディーゼルとガソリンが不足して買い求める国民の行列ができ、各世帯は生活に最低限必要な収入が得られていないとの現状認識を示した。さらに、誤ったイデオロギーによる政策では、国民が十分に食べることはできないことは明らかだと述べた。その上で、早急に経済の立て直しに取り組むと強調した。具体的には、経済開放、投資誘致、国内生産されていない物品の関税率引き下げ、エネルギー分野とデジタル分野の近代化に向けた政策見直しを挙げた。また、行政改革として省庁削減を行い、政党のガバナンスの在り方を見直すことを明らかにした。
国際社会との関わりについて、「われわれはラテンアメリカが自由と民主主義と平和の地域であることを望んでいる。ボリビアは対立ではなく国境を越えた人々の出会いの場になっていくだろう」と述べ、ボリビアのパスポートが世界から信頼され、パスポートを持つ国民が誇りをもてるようにすると話した。
(石田達也)
(ボリビア、中南米)
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