ジェトロ、バイヤー招き沖縄・福岡で泡盛と焼酎の視察商談会実施

(日本、米国、フランス、香港)

農林水産食品部商流構築課

2025年11月28日

ジェトロは11月11~13日、日本産酒類を求める海外バイヤーを沖縄県と福岡県に招聘(しょうへい)し、泡盛・焼酎メーカーへの視察や商談会を実施した。参加したバイヤーは米国、フランス、香港からの3社で、いずれも日本産のアルコール飲料を取り扱う輸入事業者だ。バイヤーが泡盛・焼酎の製法や特長、歴史に関する理解を深め、取り扱い意向の向上や販売促進のためのストーリーを検討してもらうことを目的に実施した。

11日は沖縄県において、泡盛メーカー2社への視察が行われた。視察では蔵の見学に加え、泡盛メーカーによるペアリングの提案が行われ、チーズや生ハム、パウンドケーキなどが提案された。バイヤーからは「帰国後も入手しやすい食材がペアリングとして提供されたため、自国での取り扱いや販売イメージがしやすかった」との声があり、日本食材に限定しない提案がポイントとなることが示唆された。

視察後には、バイヤー3社と泡盛メーカー、沖縄県酒造組合、さらに国税庁および沖縄国税事務所が参加し、現地の泡盛の輸入状況に関する意見交換が行われた。

写真 沖縄でのペアリングの提案(ジェトロ撮影)

沖縄でのペアリングの提案(ジェトロ撮影)

13日に福岡県で開催された商談会には、九州・沖縄地域の5県から酒造メーカーや商社を含む計14社のサプライヤーが参加し、合計21件の商談が行われた。参加したバイヤーからは、「芋や麦に加え、デーツやショウガなど多様な原料で製造される焼酎の魅力をあらためて実感した」という声が寄せられた。また、一部の商談ではOEM(相手先ブランド製造)に関する相談が持ち掛けられるなど、具体的なビジネスの可能性を感じさせるやり取りも見受けられた。

写真 福岡県での商談会の様子(ジェトロ撮影)

福岡県での商談会の様子(ジェトロ撮影)

商談会に先立ち、12日には福岡県内の焼酎メーカー2社への視察を行った。バイヤーからは、焼酎の製造工程に関する質問が寄せられ、主原料である芋や麦の産地、蒸留器の構造、泡盛との蒸留方法の違いについて確認が行われた。バイヤーが製品の差別化を考える上で関心の高いポイントだ。

写真 焼酎蔵への視察(ジェトロ撮影)

焼酎蔵への視察(ジェトロ撮影)

ジェトロは、国税庁からの受託事業の一環で、視察、意見交換会、商談会を含む日本産酒類海外バイヤー招聘プログラムを2025年度中に今後3回開催する予定だ。対象地域は大分県、福岡県、鹿児島県、宮崎県、熊本県、佐賀県で、日本酒および焼酎に焦点を当て計11カ国からバイヤーを招聘する。

(栢沼泰佑)

(日本、米国、フランス、香港)

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