チリ大統領選、左派ハラ氏と右派カスト氏が決選投票へ
(チリ)
調査部米州課
2025年11月17日
チリ大統領選挙が11月16日実施された。チリ選挙管理庁(SERVEL)によると、今回の投票で過半数の票を得た候補者はおらず、左派・共産党のジャネット・ハラ氏と右派・共和党のホセ・アントニオ・カスト氏が決選投票に進むこととなった。開票率90.15%時点の得票率は、ハラ氏が26.74%、カスト氏が24.07%となっている。世論調査では3番手につけていた中道右派連合チレ・バモスから立候補したエブリン・マテイ氏は5番手となった。
ハラ氏は与党連合の予備選で得票率6割超で勝ち抜いた。これまで労働や社会保障の分野で要職を務めてきた経歴を持ち、労働者寄りの政策を掲げる。ハラ陣営は1回目の投票で30%以上の得票率を目標としてきたが、今回その目標をやや下回ったかたちとなった。また、大統領選前の世論調査で、ハラ氏とカスト氏が決選投票に進んだ場合のハラ氏の支持率が低調で(2025年10月23日記事参照)、決選投票に向けては厳しい戦いが予想される。一方のカスト氏は国民の関心が高い治安や移民対策で支持を集めてきた。カスト氏に対しては、1回目の投票で4番手につけたヨハネス・カイザー氏(得票率13.94%)が決選投票での支持を表明し、さらなる追い風が吹くこととなった。
決選投票は12月14日に予定され、そこに向けて、事前の予想に反して3番手につけた右派・人民党(PDG)のフランコ・パリシ氏(得票率19.52%)の動きが注目される。
(佐藤輝美)
(チリ)
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