モロッコでハイテク産業やイノベーション分野が進展、先進製造業の展示会を初開催へ

(モロッコ)

ラバト発

2025年11月26日

モロッコのリヤド・メズール産業・貿易相は11月17日、2024年に高度および中高度技術産業によって生み出された付加価値の割合が50%を超え、新開発モデル(NMD)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで設定した目標を達成したと発表した。モロッコはNMDで2035年までに達成するとしていた目標を11年も前倒しで達成したことになる。メズール産業・貿易相は、「投資憲章外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によって保証された先進的かつ近代的な技術の統合が国内外の投資家を引き付ける要因と強調した。

イノベーション分野でも成果が出ている。モロッコは2025年の「WIPOグローバル・イノベーション・インデックス外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」においてアフリカ第2位で、世界では57位にランクインし、前年より9ランク上昇した(2025年10月15日記事参照)。この評価は、研究開発投資、ベンチャーキャピタル、ハイテク輸出、知的財産など78の指標に基づいており、モロッコ経済が資源依存や低コスト生産から、技術と知的資本を軸にした高付加価値産業へ移行していることを示している。

WAM Morocco 2026:未来の製造業とモビリティの祭典

こうした流れの中、初めて開催されるのが、「World Advanced Manufacturing & Future Mobility(WAM Morocco)2026外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」だ。2026年1月20~22日に、カサブランカで開催されるこのイベントは、ドバイ・ワールド・トレード・センターの完全子会社のイベント企業であるKAOUN Internationalが、モロッコ産業・貿易省、モロッコ投資貿易開発庁(AMDIE)、モロッコ経団連(CGEM)と連携して初めて開催するもので、先進製造業、未来モビリティ、グリーンエネルギー、医薬品製造、デジタルフードハブ、スタートアップ・投資家プログラムなどのセクターで展示が行われる。

メズール産業・貿易相は、「このイベントへの参加は、イノベーション、経済の強靭(きょうじん)性、産業リーダーシップに対するわが国の強いコミットメントを示すものだ。世界と地域の専門知識を結集し、技術革新と持続可能な取り組みが成長できる環境を整えることで、モロッコとアフリカをテクノロジー主導の豊かな未来へ導いていく」と強調している。

(ファティマザハラ・ベルビシュ、和泉浩之)

(モロッコ)

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