中部発スタートアップ8社が「SWITCH」出展
(日本、シンガポール)
名古屋発
2025年11月19日
ジェトロは、アジア最大級のイノベーションカンファレンス「Singapore Week of Innovation & Technology 2025(SWITCH2025)
」(10月29~31日)(2025年11月10日記事参照)にCentral Japanブースを設置し、中部発の有望なスタートアップ計8社(注1)の出展支援を行った。同ブースは地域のPRとスタートアップの海外展開加速を目的に、Central Japan Startup Ecosystem Consortium
(注2)(以下、コンソーシアム)とともに設置したもの。
出展企業は、人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)、アグリテック、バイオサイエンス、気候変動テックなど多岐にわたる分野で、独自の革新技術やサービスを披露した。ブースは連日、投資家(以下、VC)や東南アジアの事業パートナー候補など、多数の来場者でにぎわい、活発な商談とネットワーキングが行われた。出展企業からは、「VCと話すことで資金調達の可能性について議論でき有意義だった」「想像以上に関心を持ってもらえ、具体的な協業の可能性を話す良い機会になった」といった声が寄せられ、現地市場での日系スタートアップへの関心の高さを実感していた。
ブース対応中の様子(左)、Central Japanブース関係者の集合写真(右)(ともにジェトロ撮影)
出展企業の1社で、独自の高機能抗体開発技術を持つバイオヘルスケアスタートアップのiBodyは、SWITCHの主要イベントの1つであるグローバルピッチコンテスト「SLINGSHOT」で上位60社に選出された。同社は、特設ブースでの展示に加え、メインステージでも世界各国の有力スタートアップと肩を並べ、革新的な抗体探索・開発技術の優位性や将来の展望を披露した。
SLINGSHOTのiBody天草氏のピッチの様子(ジェトロ撮影)
会期最終日の10月31日には、コンソーシアムとジェトロ共催によるサイドイベント「CENTRAL JAPAN Innovation Showcase」がマリーナ・ベイ・サンズで開催された。本イベントは、中部発スタートアップの東南アジア進出を促すことを目的として開かれ、シンガポールの事業会社やVCなど計65人が参加した。出展企業8社による英語ピッチのほか、ジェトロの取り組み紹介、2026年1月に名古屋市で開催される「Tech GALA」(注3)のPRも行われた。イベント後半では、東海国立大学機構の松尾清一機構長がコンソーシアム代表として閉会あいさつを行い、その後のネットワーキングで参加者との交流を深めた。
サイドイベントの様子(ジェトロ撮影)
(注1)出展企業8社は次のとおり。
- Acompany(AI/サイバーセキュリティー)
- DouDouDoujin(コンテンツ/二次創作プラットフォーム)
- Happy Quality(アグリテック)
- iBody(バイオテック/ヘルスケア)
- Playbox(AI/スポーツテック)
- ストラウト(養殖/アクアテック)
- ウェイストボックス(気候変動テック/環境コンサル)
- ゼロワン(デジタルツイン/IoT)
(注2)Central Japan Startup Ecosystem Consortiumは中部経済連合会、名古屋大学、愛知県、名古屋市、浜松市などから構成されるコンソーシアム。2025年6月には新たに岐阜県、三重県、静岡県が参画した「第2期スタートアップ・エコシステムグローバル拠点都市
(広域都市圏型)」として内閣府から選定され、広域産学官金が連携し、ジェトロと協働してスタートアップへの集中支援に取り組んでいる。
(注3)Tech GALAはコンソーシアムが主催する国内外のプロフェッショナルが集まるテクノロジーの祭典で、主に中部圏のスタートアップ・エコシステムの活性化を目的とし、最新技術に関する議論やネットワーキング、ピッチコンテストなどを通じて、新たな連携やイノベーションの創出を目指している。
(佐久間美奈)
(日本、シンガポール)
ビジネス短信 1649e1ed659c6156




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