ペルー法相交代、議会で就任時から不信任決議の動き

(ペルー)

リマ発

2025年10月06日

ペルーのディナ・ボルアルテ大統領は10月2日、法相を交代させ、大統領官邸で新法相の宣誓式を行った。

新たな法相には、弁護士のフアン・カベロ氏が就任した。国税庁(SUNAT)やカジャオ憲法特別市、リマ市道路公社(EMAPE)で顧問弁護士を務めるなど、行政分野での経験が長い。運輸通信省(MTC)陸上運輸局長だった2018年には、自動車運転免許証の不正交付が発覚して辞職に追い込まれた。法相就任直前までは法務大臣官房法律顧問を務め、前任のフアン・ホセ・サンティバニェス氏と近い関係にあるとされている。

サンティバニェス氏は10月1日、ボルアルテ大統領に辞表を提出した。地元報道によると、辞表で辞職の理由について、2026年に実施される総選挙の準備のためとしており、上院議員選挙に立候補するとみられている。議会では、同氏が大臣としての資質に欠けるとして、就任時から不信任決議に向けた動きが出ていた(2025年8月27日記事参照)。内相だった2025年3月には議会で不信任決議にかけられて辞任しており(2025年3月25日記事参照)、2度目の不信任決議の動きが辞職圧力になった可能性がある。

議会では並行して、ファブリシオ・バレンシア文化相の不信任決議に向けた動きも出ている。世界遺産のマチュピチュ遺跡の入場券販売や周辺地域の交通機関でトラブルが相次ぎ、責任と役割分担などを巡って文化省と地元のクスコ州政府が対立していることから、大臣としての職責を果たしていないことが理由に挙げられている。

(石田達也)

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