欧州中央銀行、3会合連続で主要政策金利の据え置き決定

(EU、ユーロ圏)

デュッセルドルフ発

2025年10月31日

欧州中央銀行(ECB)は10月30日、イタリア・フィレンツェで開催した政策理事会で、3つの主要政策金利の据え置きを決定した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。預金金利は2.0%、政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)は2.15%、限界貸出ファシリティー金利(オーバーナイト貸し出し、翌日返済)は2.4%を維持する。主要金利は2024年9月から7会合連続で引き下げられた後(2025年6月6日記事参照)、2025年7月からは3会合連続で据え置きの金融政策が続いている。

現在のインフレ率は中期目標の2%に近い水準を保っており、今後の見通しも前回会合と変わらず安定的だとする。また、ユーロ圏の2025年第3四半期の経済成長率は前期比0.2%となり、前年同期比では1.3%だった(注)。

クリスティーヌ・ラガルド総裁は記者会見で、「厳しい世界情勢の中でもユーロ圏の経済は成長を続けている」と述べた。しかし、貿易戦争や地政学的な緊張による不透明性は依然として高いとし、ECBとしては今後も会合ごとに慎重な政策対応をとるスタンスを維持する考えを示した。

次回の金融政策理事会は12月17~18日を予定している。

(注)EU統計局(ユーロスタット)が10月30日に発表した速報値に基づく(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(マリナ・プタキドウ、櫻澤健吾)

(EU、ユーロ圏)

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