ネパール暫定政権が発足、2026年3月5日に総選挙

(ネパール)

ニューデリー発

2025年10月02日

ネパールのラムチャンドラ・ポーデル大統領は9月12日、元最高裁判所長官のスシラ・カルキ氏を暫定首相に任命した。ネパールでは同月8日以降、若者を中心とした大規模なデモが発生し(2025年9月11日記事参照)、9日にカドガ・プラサード・シャルマ・オリ首相が辞任していた。

現在73歳のカルキ氏は、ネパールやインドの大学で学んだ後に弁護士として活動し、2016~2017年にはネパールで女性初の最高裁長官を務め、汚職に対して厳しい姿勢をとってきたことで知られる。今回のデモが過激化した背景には、長年にわたって続いていた政府の汚職や特権階級に対する市民の不満があったことから、カルキ氏による改革が期待されている。

15日には3人の主要閣僚が任命され、財務相には元財務次官のラメショール・プラサド・カナル氏、公共事業・交通相兼都市開発相兼エネルギー・水資源・灌漑相にはネパール電力公社の元社長のクルマン・ギシング氏、内務相には汚職防止活動家のオム・プラカシュ・アリヤル氏が選ばれた。また、現地報道によると、21日には新たに5人の閣僚が選出された(「カトマンズ・ポスト」紙9月21日)。

今回発足した内閣の任期は次回総選挙までとされており、暫定政権は2026年3月5日に総選挙を実施することが定められている。カルキ氏率いる暫定政権には、約半年間という限られた期間での改革が求められている。

(丸山春花)

(ネパール)

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