ニュージーランド中銀、0.5ポイントの大幅利下げで政策金利2.5%に

(ニュージーランド)

シドニー発

2025年10月17日

ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)は10月8日、政策金利(オフィシャル・キャッシュレート:OCR)を0.5ポイント引き下げ、2.5%とすることを発表した。2025年にはすでに、2月に0.5ポイント、4月に0.25ポイント、5月に0.25ポイント、8月に0.25ポイントの利下げを行っており、今回が5回目の利下げとなった。直近のピークだった2024年7月の5.5%からは大幅に引き下げられた。

RBNZは、今回の決定にあたり、利下げ幅を0.25ポイントとする案も検討していた。同案では過去の利下げが経済に波及し、消費や雇用に回復の兆しが見られると評価した。一方、0.5ポイントの利下げに決定した理由として、インフレ圧力は緩和してきたが、経済活動や雇用の低迷が続くリスクを重視したことが挙げられる。消費と投資を支援する明確なシグナルを発することで、経済低迷のリスクを軽減できる可能性があるとした。

また、インフレ率を目標圏内(1~3%)の中間値である2%付近で安定的に維持し、必要に応じてOCRのさらなる引き下げも検討するとした。

RBNZによると、2025年第2四半期(4~6月)の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同期比2.7%で、目標圏内の上限近くにあるという。足元の経済は低迷しているが(2025年9月30日記事参照)、利下げにより回復する余地があるとした。CPI上昇率は2026年前半には目標圏内の中間値2%に収束すると予測する。

ニコラ・ウィルス財務相は今回の発表を受け、「今回の利下げは、家計と企業へのさらなる救済になるだろう」と述べた。50万ニュージーランド・ドル(約4,400万円、NZドル、1NZドル=約88円)の25年ローンを抱える世帯では、2024年半ばと比べて最低返済額が2週間で400ドル以上減少するとし、利下げの効果を強調した。

(山崎美樹)

(ニュージーランド)

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