第2四半期GDPは前期比0.9%減、再びマイナス成長へ
(ニュージーランド)
シドニー発
2025年09月30日
ニュージーランド統計局は9月18日、2025年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率が前期比マイナス0.9%(注)だったと発表した。2024年第4四半期から2期連続でプラス成長を記録していたが、再び大幅なマイナス成長へ転じた。前年同期比ではマイナス1.1%で、2024年第4四半期から連続3期のマイナス成長となった。
需要項目別では、財貨・サービスの輸出が前期比1.2%減、総固定資本形成も1.1%減だった。一方、流通在庫の増加により、在庫変動が3億5,900万ニュージーランド・ドル(約312億3,300万円、NZドル、1NZドル=約87円)増加した。
産業別にみると、16業種中10業種がマイナス成長となった(添付資料表参照)。製造業は前期比3.5%減少した。輸送用機器、機械設備、食品、飲料、たばこ製品、金属製品の生産減少が要因となった。建設業も、長期にわたる低迷を続け1.8%減少した。一方、不動産・賃貸サービス(0.7%増)、情報メディア・通信(1.8%増)が増加したが、サービス業全体としては横ばいにとどまった。
オーストラリア・ニュージーランド大手のウェストパック銀行は、第2四半期のGDPについて、「当行予想である0.4%減や、市場予想の中央値である0.3%減を大きく下回った」と述べた。第3四半期の動向を考慮する必要があるとしつつ、経済活動の低迷が続けば、ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)が今後、政策金利(オフィシャル・キャッシュレート:OCR)のさらなる引き下げを決断する可能性が高まるとの見解を示した。
ニコラ・ウィリス財務相は今回の発表を受けて、国際的な混乱と米国関税をめぐる不確実性が、企業や家計の投資判断への意欲に明らかな影響を与えたと述べた。一方で、すでに第3四半期も終わりに近づき、再び経済が成長し始めているとした。米国関税の引き上げの影響が和らぐにつれて、今後の経済成長は加速するだろうと予測した。
(注)全て季節調整済みの数字。
(山崎美樹)
(ニュージーランド)
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