さらなる連携強化へ、ジェトロがMIDAおよびMATRADEと協力覚書(MOC)
(マレーシア、日本)
クアラルンプール発
2025年10月22日
ジェトロは10月13日、マレーシア投資開発庁(MIDA)およびマレーシア貿易開発公社(MATRADE)との間で協力覚書(MOC)の交換式を開催した。式典は、大阪・関西万博のマレーシア館(2024年6月28日記事参照)において、同館の閉館式に先立ち執り行われ、日本とマレーシア間の経済関係を一層強化する重要な節目となった。MIDAとのMOCは、2016年に締結された既存の覚書を基に、情報共有や投資誘致活動での連携を継続しつつ、大阪・関西万博を契機とする新たな投資案件の支援を通じて、持続可能な経済発展への貢献を目的としている。一方、MATRADEとのMOCは、貿易関連情報の交換、ハラール製品・サービスの促進、電子商取引分野での連携を通じて、貿易促進に向けた協力を強化する内容となっている。
シク・シャムスル・イブラヒム・シク・アブドゥル・マジドMIDA長官は、今回の博覧会で確保した約127億9,000万リンギ(約4,604億4,000万円、1リンギ=約36円)の投資は、両国の国家戦略が一致していたからこそもたらされた成果であると述べた。日本のGX(グリーントランスフォーメーション)・DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みは、マレーシアの新産業マスタープラン(NIMP)2030、グリーン投資戦略、国家半導体戦略(NSS)とも補完し合う関係にあるとし、今回のMOCはこうした戦略的連携を具体的なビジネスへとつなげるものだと強調した。また、モハド・ムスタファ・アブドゥル・アジズMATRADE長官は、両国間のビジネスをつなぐ架け橋としてジェトロとの連携を重視しているとした上で、今回のMOCが、より強固な貿易関係を促進し、両国に持続的な経済的利益をもたらすことに期待を示した。同様に、ジェトロの平野賢一理事は「今回のMOCが両国間の経済関係をさらに深める重要な一歩であり、ジェトロがマレーシアに事務所を構えてから70年近くにわたる長年の信頼と協力の歴史を礎に未来志向の新たな協力関係を築くものだ」と述べた。
ジェトロと、MIDA(左)およびMATRADE(右)によるMOC交換(ジェトロ撮影)
(戴可炘)
(マレーシア、日本)
ビジネス短信 cf8635ba78c4bd39