トルコのアナドルいすゞがサマルカンド自動車工場を買収

(トルコ、ウズベキスタン、日本)

調査部欧州課

2025年10月03日

ウズベキスタンの国有資産管理庁は9月30日、サマルカンド自動車工場の国の持ち分75.2%をトルコのアナドルいすゞに売却すると発表した。同庁によると、売却額は8,000万ドル。これに加えて、アナドルいすゞが大型のバスおよび電気バスの生産体制の立ち上げのため8,000万ドルを投資するという。

アナドルいすゞは、トルコのアナドル・グループ、日本のいすゞ自動車、伊藤忠商事を主要株主とする商用車メーカー。サマルカンド自動車工場は、もともとトルコ企業と地場自動車公社のウズアフトサノアトによって1996年に設立され、1999年に工場が稼働した。その後、ウズアフトサノアト、伊藤忠商事、いすゞ自動車などによる合弁会社となり、いすゞブランドのトラックなどを生産している(2019年12月3日記事参照)。

アナドルいすゞと国家資産管理庁は2024年6月、同社によるサマルカンド自動車工場の経営権取得に向けた必要な調査を行う覚書を締結していた。今回、アナドルいすゞによる買収価格や投資計画を含む最終提案が承認された。

「Gazeta.uz」(2025年4月5日)によると、サマルカンド自動車工場の株主は国家資産管理庁(出資比率75.2%)、伊藤忠商事といすゞ自動車(各12.4%)で、同庁保有分がアナドルいすゞに譲渡される。国家資産管理庁によると、買収の完了にはトルコ側規制当局の承認が必要となる。

アナドルいすゞも9月30日に、サマルカンド自動車工場買収に関して発表した。「今回の投資は、国際市場における当社のプレゼンス強化に向けた最も重要なステップの1つ」としたうえで、「当社の生産能力と業務効率が向上し、多様な新製品を通じて多くの潜在的市場に直接アクセスすることが可能になる」と買収に当たっての展望を示した。

(浅元薫哉)

(トルコ、ウズベキスタン、日本)

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