11月のニューヨーク市長選は民主党マムダニ氏が依然リード、米世論調査

(米国)

調査部米州課

2025年10月31日

米国ニューヨーク(NY)市長選は11月4日に行われるが、世論調査では支持率で、民主党候補ゾーラン・マムダニ氏(NY州議会議員)のリードが依然続く。

マサチューセッツ州ボストンのエマーソン大学は10月30日、NY市長選などに関する世論調査結果(注1)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによれば、同市長選を想定した問いで、マムダニ氏の支持率は50%と半数になった。無所属のアンドリュー・クオモ前NY州知事(25%)、共和党候補のカーティス・スリワ氏(21%、注2)が続いた。

同大学世論調査のエグゼクティブ・ディレクターのスペンサー・キンボール氏は、「マムダニ氏への黒人有権者(注3)の支持率は9月の50%から今回71%に上昇している一方、クオモ氏は9月以来、黒人有権者の間で10ポイント下落している」「50歳未満の有権者の69%がマムダニ氏を支持している一方、50歳以上の有権者では37%がマムダニ氏を支持、31%がクオモ氏、28%がスリワ氏を支持する」と述べた。

また、ボストンのサフォーク大学が10月に実施した世論調査(注4)によれば、同市長選を想定した設問で、マムダニ氏への支持率は44%とクオモ氏(34%)を10ポイント上回った。スリワ氏が11%で続く。

9月の調査では、マムダニ氏が20ポイントリードしていたが(2025年10月3日記事参照)、エリック・アダムスNY市長(無所属)が9月に選挙戦から撤退することを発表し、アダムス氏への支持がクオモ氏に移ったとみられる。

今回クオモ氏の支持が伸びたのは、ヒスパニック(注5)の支持の変動によるという。9月にはヒスパニックの支持は、マムダニ氏が30ポイント差でクオモ氏を上回っていたが、今回はクオモ氏への支持が34%とマムダニ氏(33%)をわずかに上回った。

調査結果からは依然としてマムダニ氏が優位であり、サフォーク大学の政治調査センター所長のデビッド・パレオロゴス氏は、クオモ氏がマムダニ氏に勝つには、スリワ氏を支持する有権者の支持を獲得する必要があると述べた(USAトゥデイ10月27日)。

マムダニ氏の当選の可能性が高まる中で、ドナルド・トランプ大統領は、マムダニ氏を「共産主義者」と非難し、マムダニ氏が当選すればNY市への補助金を削減するなどと発言してきた。それに対してマムダニ氏は、キャシー・ホークルNY州知事らと連携して、トランプ氏と戦う姿勢を示した(NBCニュース10月30日)。

(注1)実施時期は2025年10月25~27日。対象者はNY市の投票予定者あるいは投票者640人。期日前投票は10月25日に開始された。

(注2)犯罪防止団体「ガーディアン・エンジェルス」の創設者。

(注3)人種別内訳は、ヒスパニック、白人、黒人、アジア系、その他に分類される。

(注4)実施時期は2025年10月23~26日。対象者はNY市の投票予定者500人。

(注5)人種別内訳は、白人、黒人、ヒスパニック、アジア系に分類される。

(松岡智恵子)

(米国)

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