11月の米バージニア州知事選の世論調査、民主党候補のリード続く
(米国)
調査部米州課
2025年10月03日
米国バージニア(VA)州の知事選挙は11月4日に予定されている。最近の世論調査では支持率で、民主党候補アビゲール・スパンバーガー氏(前連邦下院議員)が共和党候補ウィンサム・アールシアーズ氏(副知事)をリードする。
マサチューセッツ州ボストンのエマーソン大学は10月2日、VA州知事選に関する世論調査結果(注1)を発表した。それによれば、州知事選を想定した問いで、民主党のスパンバーガー氏の支持率が52%と共和党のアールシアーズ氏(42%)を10ポイント上回った。7月の別の世論調査でも、スパンバーガー氏が12ポイント上回っていた(2025年7月22日記事参照)。
同大学世論調査のエグゼクティブ・ディレクターのスペンサー・キンボール氏は、「無党派層の支持はスパンバーガー氏が19ポイント上回った。これは、アールシアーズ氏が4ポイント上回っていた1月から逆転している。特に注目すべきは、共和党候補を支持する傾向にある男性層が、1月にアールシアーズ氏を15ポイント差で支持していたが、今回は両候補とも46%と同率で支持し拮抗(きっこう)する状況になった」と述べた。
ニュージャージー州知事選やニューヨーク市長選でも民主党候補が優勢
11月4日には、ニュージャージー(NJ)州知事選とニューヨーク(NY)市長選も実施される。いずれも最近の世論調査では、NJ州知事選の民主党候補マイキー・シェリル氏(連邦下院議員)、NY市長選の民主党候補ゾーラン・マムダニ氏(NY州議会議員)が他の候補者をリードする(注2)
超党派シンクタンクのブルッキングス研究所は10月2日の論考で、スパンバーガー氏、シェリル氏、マムダニ氏が勝利した場合、2024年のドナルド・トランプ大統領の勝利の鍵となった「生活費」対策が、今となっては大統領にとって政治的責任となっていることを示唆する可能性があるとしている(注3)。また、3つの選挙結果が2026年中間選挙に対する専門家の見解、選挙予想、両党の戦略、立候補を表明する候補者の判定に大きな影響を与えるという。
(注1)実施時期は2025年9月22~23日。対象者はVA州の投票予定者935人。
(注2)NJ州知事選は、FOXニュースの世論調査(9月25~28日にNJ州の登録有権者1,002人を対象に実施)で、シェリル氏が共和党候補のジャック・チャタレリ氏(元NJ州下院院内総務)を8ポイントリードする。NY市長選は、サフォーク大学の世論調査(9月16~18日にNY州の投票予定者500人を対象に実施)で、マムダニ氏が次点で無所属のアンドリュー・クオモ前州知事を20ポイントリードする。
(注3)トランプ氏の「インフレ/価格」対応への支持は純支持率マイナス30%と低迷している(2025年9月5日記事参照)。
(松岡智恵子)
(米国)
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