兵庫県内企業15社、ホーチミン市校工科大のキャリアフェアに参加
(ベトナム、日本)
ホーチミン発
2025年10月16日
ベトナム国家大学ホーチミン市校工科大学(HCMUT)は10月4日、ホーチミン市内の同大キャンパスで、第16回「キャリアフェア2025」を開催した。同大学はベトナム南部最高峰の理系大学で、技術系の日本語人材育成を目指す大学としても注目を集めている。電気電子工学分野、コンピュータサイエンス分野、機械力学分野で日本語プログラムを設置し、日本語ができるエンジニア人材を輩出している(2024年8月28日記事参照、2024年10月31日記事参照)。このイベントに兵庫県の企業が参加するのは初めてで、県内の製造業や電子・電気関連の企業、IT企業、建設企業など15社が集まって「HYOGOストリート」を設置した。企業との個別面談の機会も設けられ、事前申し込みをした学生に別室で企業の魅力や特徴、仕事内容などの説明が行われた。
兵庫県の取り組みは、キャリアフェア終了後に各企業が内定面接を実施し、内定者にはベトナムで日常会話レベル〔N3(注)に相当〕の日本語教育を3~9カ月間程度受ける機会が提供される。日本語を習得した学生はその後に最終面談を受け、日本での就労を目指す。出展した兵庫県の企業からは、日本語の能力や企業理念を理解できる学生を採用したいとのコメントがあった。
また、ホーチミン市校工科大学の電気電子学科で、2026年3月に日本で働く予定の学生の中には、「海外生活を体験したく、四季のある日本の風景が楽しみだ」「日本企業で働きながら、高度な技術を学ぶことに期待している」とのコメントを残した。さらに、このイベントに訪れていたホーチミン市に隣接するドンナイ省にあるラックホン大学の日本語教員は「インターシップの受け入れ先を探すため、学生を引率して参加した」と話した。
HCMUTのキャリアフェアは、理工系人材の採用を目的に、ホーチミン市内や周辺省の現地企業、外資企業、日本企業などが幅広く参加する。今回の来場学生数は約6,000人、出展企業は約145社だった。そのうち日本からの出展企業は兵庫県企業を含めて21社だった。
同大学のキャリアフェアは毎年、同時期に開催する予定で、開催情報は同大学のホームページに掲載される予定だ。
キャリアフェアの会場(ジェトロ撮影)
兵庫県の企業ブース「HYOGOストリート」(ジェトロ撮影)
(注)日本語能力試験のレベルは、N5~N1まである。数字が小さいレベルの方が難度が高い。
(ダン・ティ・ゴック・スオン)
(ベトナム、日本)
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