日英政府、対日ビジネス促進へ、日本政府の企業向け政策の説明会開催
(英国、日本)
ロンドン発
2025年10月22日
日本と英国両政府は10月9日、ロンドンで英国企業による対日ビジネス促進を目的とした日本政府の政策の説明会を共同開催した。このイベントは、2025年3月7日に開催された第2回日英戦略経済貿易政策対話で合意した「日英産業戦略パートナーシップ」に基づくもので、7月に実施された英国の産業戦略説明会(2025年7月16日記事参照)に次ぐ第2弾となる。
説明会には在英日本大使館や日本協会、在英日本商工会議所、英国ビジネス・通商省(DBT)、ジェトロが共催し、両国の企業関係者約100人が参加した。
冒頭のあいさつで、鈴木浩・駐英日本大使は最近の投資動向に触れ、「英国からの対日投資残高と、日本からの対英投資残高には大きな差があり、日本から英国への投資残高〔784億ポンド(約15兆8,368億円、1ポンド=約202円)〕は、英国から日本への投資残高(32億ポンド)の20倍を超える水準にある。一方で、英国からの対日投資が2023年に前年比9%増加したことは、好ましい兆しだ」と述べた。
経済産業省の天野富士子・投資交流調整官は、2025年5月に策定した「対内直接投資促進プログラム2025」を中心に日本の投資環境を紹介し、「日本の重点分野であるグリーントランスフォーメーション(GX)、デジタルトランスフォーメーション(DX)、ライフサイエンスは、英国の産業戦略の主要分野とも合致している」と説明した。
プログラムの最後には、DBT産業戦略諮問委員会のグレッグ・クラーク委員をモデレーターに、登壇者によるパネルディスカッションを行った。DBTのギャレス・デイビス事務次官は「英日関係のすばらしい点は、共通理解の深さにある」「商業、経済、防衛など政府のあらゆるレベルでの深い協力が関係深化への基盤を築いている」と強調した。質疑応答では、人工知能(AI)やエネルギー分野に関する日本政府の政策動向や対日ビジネス展開の実務的課題などに関して、英国企業から活発な質問が寄せられた。ジェトロの対日投資支援を受けている企業からは、サービスを高く評価するコメントもあり、会場は終始活気に包まれた。
経済産業省の天野投資交流調整官による発表(ジェトロ撮影)
パネルディスカッション(ジェトロ撮影)
(森詩織)
(英国、日本)
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