英国で日本企業向けに産業戦略の説明会を開催、日本との連携深化に期待

(英国、日本)

ロンドン発

2025年07月16日

在英国日本大使館、日本協会、在英日本商工会議所、英国ビジネス・通商省(DBT)、ジェトロは7月14日、ロンドンで日本企業を対象に産業戦略(2025年6月25日記事参照)の説明会を開催した。本イベントは、DBTと経済産業省の間で3月に開催された日英戦略経済貿易政策対話において促進が確認された産業戦略パートナーシップの一環。

産業戦略は英国への投資拡大を目的に、8つの成長産業(注)を特定、各産業における成長および雇用創出の実現に向け政策措置を打ち出すもの。

今回のイベントでは、DBTのサム・リスター産業戦略担当副次官が産業戦略に関するプレゼンテーションを行ったほか、グレッグ・クラーク産業戦略諮問委員会委員、東芝欧州の森川浩社長らも登壇した。産業戦略の中では日本について、英国が産業戦略パートナーシップを締結した1カ国目として洋上風力や量子、イノベーション、自動車などさまざまな分野での協力に向けて合意したことに触れられている。

イベントでは、登壇者からサプライチェーンの強靭(きょうじん)性やイノベーションなどの観点からも日本への期待が示された。先端製造、クリーンエネルギー、防衛、デジタル・テクノロジーなどの分野が両国に共通する強みのある分野として紹介された。日本企業にとってのメリットとしては、戦略内で盛り込まれた産業向けのエネルギーコストの削減措置や規制負担の削減などが挙げられた。

そのほか、イベントの中では日本企業を対象とした成長産業分野ごとのラウンドテーブルの開催や、日英戦略経済貿易政策対話で合意された日英双方向の投資促進に基づく継続的な対話について提案があった。

なお、産業戦略パートナーシップの関連では7月9日、日英政府間で英国からの対日直接投資の促進に関する協力覚書(MoC)が署名されている(詳細は内閣府ウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(注)先端製造、クリーンエネルギー産業、クリエーティブ産業、防衛、デジタル・テクノロジー、金融サービス、ライフサイエンス、専門・ビジネスサービスの8産業。

(山田恭之)

(英国、日本)

ビジネス短信 29b9a066b4324879