米アーチャー、JAL・住商合弁のソラクルと大阪でエアタクシー事業推進へ
(米国、日本)
サンフランシスコ発
2025年10月01日
電動垂直離着陸機(eVTOL)、いわゆる「エアタクシー」を開発する米国のスタートアップ、アーチャー・アビエーション(本社:カリフォルニア州サンタクララ)は9月29日、日本航空(JAL)と住友商事が設立した合弁会社ソラクルが確立を目指す大阪府でのエアタクシーサービスに重要な役割を担うことになると発表した。
同サービスは大阪府、大阪市との合意に基づき、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で展示されたアーチャーの主力機「ミッドナイト」を活用し、運航や規制、地域連携の枠組みを整える計画だ。両者は既に2024年11月に日本での事業開始に向けた提携を発表しており、ソラクルは最大100機を購入する基本合意書も締結している(2025年3月24日付地域・分析レポート参照)。
これに先立つ9月25日、日本の代表団がアーチャー本社を訪問した。中野洋昌国土交通相や大槻耕太郎・駐サンフランシスコ日本総領事らが参加し、アーチャー経営陣とともに、日本全国でのエアタクシー展開に向けた協議を行った。
アーチャーのアダム・ゴールドスタイン創業者兼最高経営責任者(CEO)は「ソラクルが大阪で事業権を獲得したことを祝福し、日本での商用サービス基盤構築をともに進めることを楽しみにしている」と述べた。ソラクルの太田幸宏代表取締役も「大阪府、大阪市と連携し、商用eVTOLサービス実現を加速する」と述べた。
一方、競合企業の米国のジョビー・アビエーション(本社:カリフォルニア州サンタクルーズ)はすでに全日空と提携し、2026年にも東京や大阪でのサービス展開を視野に入れている(2025年7月18日記事参照)。ジョビーは米連邦航空局(FAA)の型式認証取得に向けて先行しており(2025年3月24日付地域・分析レポート参照)、米国内ではウーバーアプリ経由での運行計画も公表している(2025年9月22日記事参照)。
これで、米国の2大eVTOLメーカーのアーチャーとジョビー両社が日本のエアタクシー市場でサービスを展開することになる。
(松井美樹)
(米国、日本)
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