米グーグル、アンドラ・プラデシュ州にAIハブ建設へ、150億ドル投資予定

(インド)

チェンナイ発

2025年10月24日

米国のIT大手グーグルは10月14日、インド南部アンドラ・プラデシュ(AP)州の港湾都市ビシャカパトナムに、同社としてインド初の人工知能(AI)ハブを建設する計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同社のインド投資で最大となる150億ドルを2026~2030年の5年間かけて投じる。

この投資には、ギガワット級のAIデータセンターの運営や、必要な電力を賄うためのクリーンエネルギーを利用した電力設備の設置、データセンターを既存の海底ケーブルにつなぐ中継所設置などが含まれる。開設されれば、同社の13カ国目のAIデータセンターとなる。インドでの開発は、インドの新興財閥アダニ・グループと米国大手データセンター運営会社エッジコネックスの合弁会社アダニコネックス、インド通信大手バルティ・エアテルとグーグルが提携して行う。

ナレンドラ・モディ首相は「この投資がインドのデジタル経済を活性化させ、インドのグローバル・テクノロジー・リーダーとしての地位を確立する」と歓迎した(「ヒンドゥー・ビジネスライン」10月14日)。AP州のナラ・ロケッシュ情報技術・電子・通信相兼リアルタイムガバナンス相兼人材開発相は「この投資によって州内で18万人以上の雇用が創出される」として、グーグルの投資に対する期待を示した(「ニュー・インディアン・エクスプレス」10月16日)。コンサルティング企業アクセス・パートナーシップの分析によると、同AIハブの開設は米国の国内総生産(GDP)にも裨益(ひえき)し、経済効果は2026~2030年に少なくとも150億ドルと予想されている。

AP州は、テックハブ開発のために低価格で土地を提供する政策を推進しており(2025年9月5日記事参照)、今回のグーグルの施設に加えて、情報通信技術(ICT)サービスを提供する地場大手シフィ・テクノロジーズの完全子会社シフィ・インフィニット・スペーシズも、電力容量550メガワット(MW)のデータセンターを州内に設立する予定だ。今後もAP州内のテックハブの開発や、国内のデジタル経済がますます活発化されると予想される。

(白川佳奈)

(インド)

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