シンガポールとペルー間の実施協定に基づく炭素クレジット事業の募集開始
(シンガポール、ペルー)
シンガポール発
2025年10月30日
シンガポールとペルーの両政府は、両国間のカーボンクレジット(炭素クレジット)に関する実施協定に基づくプロジェクトの募集を開始した。シンガポール貿易産業省(MTI)などが10月24日に発表した(MTIプレスリリース
)。この実施協定は3月に署名され、関連プロジェクトの承認プロセスなどは追って発表されることになっていた(2025年4月3日記事参照)。
実施協定に基づく「国際的に移転される緩和の成果(ITMOs)」として承認されるためのプロセスは、(1)プロジェクト申請〔緩和活動に関する意向書(Mitigation Activity Note of Intent)などの提出〕、(2)承認申請〔承認申請書(Authorisation Application Form)やプロジェクト設計書などの提出〕、(3)ITMO発行申請〔ITMO発行申請書(ITMO Issuance Application Form)などの提出〕の3段階に大きく分かれる。シンガポール国家環境庁(NEA)の炭素計画課長と、ペルー環境省(MINAM)気候変動・砂漠化総局長が共同委員長を務める合同委員会(Joint Committee)が手続きを監督する。プロセスの詳細、申請書類、書類の提出先などの詳細は、シンガポールの「炭素市場協力プラットフォーム」(ウェブサイト)
で公開されている。
承認されたプロジェクトで生成された炭素クレジットは、パリ協定第6条第2項に沿った炭素クレジットを創出する。シンガポールの「国際炭素クレジット(ICC)フレームワーク」の下、これらのクレジットはシンガポールに拠点を置く企業が課税対象となる炭素排出量の最大5%を相殺するために利用できる。同国の炭素税は、2024年から二酸化炭素(CO2)換算排出量1トン当たり25シンガポール・ドル(約2,950円、Sドル、1Sドル=約118円)だが、2026~2027年に45Sドル、2030年までには50~80Sドルまで引き上げられる予定だ。
(朝倉啓介)
(シンガポール、ペルー)
ビジネス短信 79a7626cb57d4013




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