シンガポールとペルー、炭素クレジット実施協定に署名
(シンガポール、ペルー)
シンガポール発
2025年04月03日
シンガポール政府は4月1日、ペルーとカーボンクレジット(炭素クレジット)協力に関する実施協定に署名した〔MTIシンガポール貿易産業省(MTI)プレスリリース〕。実施協定は、パリ協定第6条に沿った炭素緩和プロジェクトから創出された炭素クレジット移転の枠組みを確立する。炭素クレジットプロジェクトの認可プロセスなどは追って発表される。
シンガポールでは「国際炭素クレジット(ICC)フレームワーク」に基づいて、炭素税の課税対象企業は2024年1月から、課税対象の排出量の一部をICCと相殺できるようになった(2024年6月6日付地域・分析レポート参照)。実施協定に基づくICCプロジェクトから創出されたICCを適格基準に従って相殺対象とすることができる。
シンガポールとペルーは2022年11月にパリ協定第6条に沿った炭素クレジット協力に関する覚書(MOU)に署名し、2024年11月には炭素クレジット協力に関する実施協定の交渉が実質的に合意したと発表していた(2024年11月26日記事参照)。
シンガポールにとってペルーとの実施協定は、パプアニューギニア、ガーナ、ブータンに続く4例目で、これらのほかに、パラグアイ、ベトナムとの間では、実施協定交渉が実質的に妥結している。また、一部の国との間でパリ協定第6条に沿った炭素クレジット協力に関する協力に向けた覚書(MOU)に署名し、実施協定締結に向けた取り組みを進めているほか、より広範な炭素市場構想で協力するためのMOUを交わしている(2025年3月3日記事参照)。
(朝倉啓介)
(シンガポール、ペルー)
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