モロッコ政府、フェズとスキラトに新たな産業加速ゾーン設置
(モロッコ)
ラバト発
2025年10月16日
モロッコ政府は10月9日、ラバトで開催された閣議で、フェズ=ベンスーダ地区と北西部ラバト=サレ=ケニトラ地方スキラト・テマラ県のスキラト市に、新たな産業加速ゾーン(Zone d’Accélération Industrielle:ZAI、注)を設置する2件の政令案を採択した。
フェズ=ベンスーダに設置されるZAIでは、自動車産業や再生可能エネルギー関連設備、航空機器、金属・機械・電気・電子産業、化学・準化学産業、繊維・皮革産業、建材製造などの活動を認可する予定だ。また、これらの産業に関連するサービス業も対象となる。
スキラトに設置されるZAIでは、フェズ=ベンスーダと同様の産業に加え、プラスチック産業、食品加工産業も含む。また、10月15日付地元メディア「LE MATIN」紙によると、このゾーンはラバト=サレ=ケニトラ地方に位置し、特にケニトラの既存産業拠点との補完関係を意識した設計となっているという。
両政令は、リヤド・メズール産業・貿易相が提出し、閣議後の記者会見でムスタファ・バイタス政府報道官が詳細を説明した。
地元メディアによると、政府はこれらのゾーンの創設を国家産業戦略の一環として位置付けており、地域産業の競争力強化と外国直接投資の誘致を図る方針だという。
(注)産業加速ゾーン(旧称:フリーゾーン):1995年法律19-94号で輸出フリーゾーンの創設が規定された。その後2020年予算法によって「産業加速ゾーン」と改称され、それに伴って税制優遇制度も変更された(ジェトロ:モロッコ制度情報「外資に関する奨励」参照)。
(鈴木優香)
(モロッコ)
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