長安汽車、京東と協力協定を締結、AIによる物流のスマート化を共同構築
(中国)
成都発
2025年10月27日
中国長安汽車(注)は10月15日、北京市に本社を置く電子商取引(EC)大手、京東集団と戦略協力協定を締結したと発表した。締結式には、朱華栄・中国長安汽車董事長兼共産党委員会書記、許冉・京東集団最高経営責任者(CEO)らが出席した。長安汽車傘下のブランドである阿維塔(アバター)、深藍汽車、長安啓源、長安凱程も、京東集団傘下の京東小売や京東物流など関連部署と、それぞれ協力協定を締結した。
発表によると、今後、両社は都市部におけるスマート物流車両やスマート運営システムの構築、無人新エネルギー車の設計、開発、製造などの分野で協力を深め、自動車サプライチェーンの最適化を通じて、物流ソリューションを共同で構築するとした。さらに、両社は共同で海外事業を展開し、グローバル・スマートカスタマーサービスやロボットなどの製品、サプライチェーン・ファイナンス、車両保険、人工知能(AI)・スマート演算能力などの技術領域など幅広い分野での協業の検討を進めるとした。
長安汽車が10月14日に発表した阿維塔科技と京東小売との連携では、市場戦略の一環として、阿維塔が京東のプラットフォームによる車両および関連製品のオムニチャネル販売を推進するとした。またアフターサービスにおいて、京東の車両整備サービスのネットワークおよび一体化されたサプライチェーンを活用することで、顧客ニーズに質の高いサービスを提供するとした。さらに新エネルギー車の輸出においては、海外市場では両社が共同でサプライチェーンを構築し、倉庫の整備などインフラを整えることで、在庫管理の最適化と運営コスト削減を図るとした。
長安凱程と京東物流の連携では、両社の車両開発能力と物流システムにおける優位性を生かすことで、スマート物流車両を技術検証から大規模な応用へ進めることを共同で推進するとした。
今回の長安汽車と京東集団との広範囲の連携は、デジタル技術による販売やアフターサービスなどにおける新たなビジネスモデルとして注目される。
(注)長安汽車は7月29日、独立した中国国務院国有資産監督管理委員会傘下の中央国有企業として再編された。スマートカーや空飛ぶクルマ、エンボディドAI(物体を操作したり、人とコミュニケーションを取り物理的な作業を支援したりする、身体性を持つエージェントベースのAIシステム)などを発展させ、東南アジアをはじめ、海外市場への展開を加速するとしていた(2025年8月5日記事参照)。
(王植一)
(中国)
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