ASEANデジタル経済枠組み協定の第14回交渉会合、2026年初めの妥結目指す

(ASEAN、マレーシア、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス)

ジャカルタ発

2025年10月16日

ASEANデジタル経済枠組み協定(DEFA)の第14回交渉会合が10月7日から10日まで、インドネシア・ジャカルタで開催された外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。会合にはインドネシアのアイルランガ・ハルタルト経済担当調整相のほか、DEFA交渉委員会(議長国:タイ)のプリュープレー・チュンルン議長、ASEAN事務局市場統合局のレ・クアン・ラン ディレクターらが出席した。

ベトナム・ハノイで開催された第13回会合までに、DEFAの条文(全36条)のうち、52.78%に当たる19条が合意済みだとした上で、第14回会合では合意率を70%に引き上げることを目標とした。アイルランガ経済担当調整相は「デジタル経済の発展のためには、ASEANデジタル市場の分断や、加盟国ごとの規制の相違、統一されていないデータ規制・政策、零細中小企業による国境を越えたビジネス拡大の困難さなど、多くの課題がある」と述べた上で、「(DEFAを)世界初の地域的、近代的、包括的、かつ先見的なデジタル枠組みとするため、努力を倍増させなければならない」と強調した。

第14回会合では、デジタルプロダクトの無差別待遇や、国境を越える情報の移転、ソースコードの取り扱い、コンピュータ関連設備の設置、海底ケーブルに関する協力が議論された。また、DEFAの執行フェーズでは、共同監視メカニズムの導入、民間部門の役割の強化、技術支援、紛争解決メカニズムの設置などを通じて、効果的な実施を確保するとした。さらに、10月10日に開催された第33回ASEAN貿易円滑化共同協議会(ATF-JCC)では、DEFAに急送貨物と電子商取引貨物に関する規定が盛り込まれると紹介している(2025年10月16日記事参照)。

9月に開催されたASEAN経済大臣会合(AEM)の直後に発表された声明では、DEFAの実質妥結の時期を2025年中としていたが、今回の発表では、2026年初めの妥結、協定への署名は2026年第3四半期(7~9月)との見通しを示した。

(大滝泰史、ティアラ・ダルマシャンティ)

(ASEAN、マレーシア、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、ミャンマー、ラオス)

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