燃料価格を引き上げ、価格は今後1年間据え置きへ

(エジプト)

カイロ発

2025年10月22日

エジプトの石油・鉱物資源省は10月17日、ガソリンなどの燃料価格の引き上げを発表した。燃料価格の引き上げは2025年4月以来約半年ぶりとなる(2025年4月14日記事参照)。引き上げ幅はいずれも1リットル当たり2エジプト・ポンド(約6.4円、EGP、1EGP=約3.2円)で、引き上げ後の価格はそれぞれ次のとおり。

  • ガソリン(オクタン価80):17.75EGP(全て1リットル当たりの価格、以下同)
  • ガソリン(オクタン価92):19.25EGP
  • ガソリン(オクタン価95):21.00EGP
  • ディーゼル:17.50EGP

石油・鉱物資源省は、上記価格は今後、最低1年間据え置かれるとしている。

エジプトの燃料価格は、補助金によって生産コストよりも安く抑えられている。石油・鉱物資源省は今回の値上げについて、生産コストと販売価格のギャップの縮小が目的だと説明した。また、資源開発にかかるパートナーへの未払い金を清算し、さらなる投資を促進するとともに、既存の製油所の操業能力を最大化する取り組みを行うとしている。

補助金の削減と財政健全化はIMFによる財政支援の条件の1つだが、IMFは10月2日の記者会見で、エジプトの財政健全化についてプログラムを上回る成果が出ていると評価した。10月14日には、足元で同国の石油を含む鉱業部門はマイナス成長であるものの、2026年には安定化するとの見通しを示した。

(塩川裕子)

(エジプト)

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