エジプト、IMF要請に応じ燃料価格引き上げ
(エジプト)
カイロ発
2025年04月14日
エジプト石油・鉱物資源省は4月10日、ガソリンなどの燃料価格の引き上げを発表した。燃料価格の引き上げは2024年10月以来約半年ぶりとなる(2024年10月22日記事参照)。引き上げ幅はいずれも1リットル当たり2エジプト・ポンド(約5.6円、EGP、1EGP=約2.8円)で、引き上げ後の価格はそれぞれ次のとおり。
- ガソリン(オクタン価80):15.75EGP(全て1リットル当たりの価格、以下同)
- ガソリン(オクタン価92):17.25EGP
- ガソリン(オクタン価95):19.00EGP
- ディーゼル:15.50EGP
エジプトの燃料価格は、補助金によって生産コストよりも安く抑えられている。石油・鉱物資源省は、石油の国際取引価格の下落を差し引いても、依然として販売価格と生産コストに乖離があり、そのギャップを埋めるために国が負担する1日当たりの補助金額は約3億6,600万EGPに上ると説明する。一方で、低所得者層の負担軽減のための支援は継続し、燃料価格は今後半年間据え置かれるとして国民の理解を求めた。
補助金の削減および財政健全化は、IMFによる財政支援の条件の1つだ(2024年3月13日記事、11月7日記事参照)。2024/2025年度前半(2024年7月~12月)の財政健全化の進展は当初の予測に達しておらず、エジプト政府は年度後半にかけて支出抑制措置を講じるとしている。
(塩川裕子)
(エジプト)
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