南部メコンデルタ玄関口のタイニン省、初出店のイオン・タンアンショッピングセンター開業
(ベトナム)
ホーチミン発
2025年10月20日
イオンベトナムは10月4日、「イオン・タンアンショッピングセンター(SC)」を南部タイニン省(注)にグランドオープンした。同社はこれまで大型SCを北部と南部に各3店舗、中部に1店舗を出してきたが、南部ではホーチミン市以外の地域では初出店となる。延床面積約2万7,000平方メートルの同施設は、ホーチミン市の「イオンモール・タンフーセラドン」の約4分の1の規模で、同社の中型SCでのベトナム出店は初となる(添付資料表参照)。
タンアンSCには30テナントが出店し、注力分野の総菜やパン販売に750平方メートル、約200席のイートインスペースを設け、メコンデルタ地域の味覚を楽しめる鍋料理やサラダバー、すし、刺し身、ベーカリーなど、日本料理とベトナム料理の双方を取りそろえた多彩な食材を提供している。
4日のグランドセレモニーには、タイニン省のグエン・バン・ウット人民委員長や、ホーチミン市のグエン・バン・ドゥオック人民委員長、在ホーチミン日本総領事館の小野益央総領事らが出席した。イオンベトナムの手塚大輔社長は「ベトナムは当社にとって、日本に次いで戦略的に重要な市場で、2030年までにベトナムの店舗網を現在の3倍に拡大していく。タイニン省の地元産品も活用しており、高品質の商品と雇用を創出し、地域に貢献するとともに、豊かなライフスタイルの提供に協力していきたい」と述べた。タイニン省のグエン・バン・ウット人民委員長は「イオンSCの開業は商業・サービスの発展促進に寄与するだけでなく、タイニン省や周辺地域の住民に利便性をもたらし、生活の質向上に資するものだ」と祝辞を述べた。
9月23日のソフトオープン以降、11日間で25万人が来場し、年間来客目標の320万人を上回るペースで推移しており、総菜やパン販売とイオン独自の専門店化された各フロアの売り場が来客を引きつけ、若い家族や会社員、学生を中心に来店している。
イオンベトナムは、南部メコンデルタ地域の入り口に当たるタイニン省への同SC初出店を皮切りに、南部の同地域のドンタップ省ミトー市に中型SC、カントー市にイオンモール、北部のハイフォン市に中型SCの新規出店計画を発表している。同社は地方中核都市の中心部に、地域最大の代表的なSC展開を戦略的なフォーマットと位置付けており、今後も郊外立地に広域商圏のイオンモールとともに、さまざまな業態によって地域のドミナント戦略を進めていく計画だ。
グランドセレモニーの様子(ジェトロ撮影)
グランドセレモニー参加者による店舗見学(ジェトロ撮影)
(注)ベトナムは政治・行政の効率化や経済発展の促進を目的として、7月1日から、これまでの63省・市(6つの中央直轄市と57省)から、新たに34省・市(6つの中央直轄市と28省)に再編した。タイニン省は旧タイニン省、旧ロンアン省が合併(2025年7月1日記事参照)。タイニン省は面積8,500平方キロ、人口320万人で、国内最大の経済・商業・サービスの中心のホーチミン市に隣接し、交通アクセスが良好な立地。
(新田和葉)
(ベトナム)
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