ルーマニア、エネルギー省次官らが訪日、東京でエネルギーフォーラム開催

(ルーマニア、日本)

海外ビジネスサポートセンターサステナブルビジネス課

2025年10月15日

ジェトロと新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は9月26日、ルーマニア・エネルギー省ミッション団の訪日の機会を捉え、「日・ルーマニア エネルギーフォーラム」(後援:在日ルーマニア大使館、経済産業省)を東京で開催した。ルーマニア・エネルギー省のクリスティアン=シルビウ・ブショイ次官を筆頭に、ルーマニアの国営送電事業者のCNTEE Transelectricaおよび Societatea Comercială Electrocentrale București(ELCEN)、国営配電会社のDistribuție Energie Electrică Romania(DEER)などの関係者ら約20人のほか、日本企業関係者ら約60人が参加した。

ブショイ次官は冒頭のあいさつで、「協力は力なり」と日本語で述べた上で、両国間のエネルギー分野における協力への期待を示した。ルーマニアはEUの目指す2050年までのカーボンニュートラル達成目標にコミットしており、水素および原子力を重視していると述べた。水素については、「国家水素戦略および行動計画」(ジェトロの2025年9月調査レポート参照)を2023年に発表したと説明。また、原子力については、2029年までに完成を目指す小型モジュール炉(SMR)プロジェクト に言及した。

一方、エネルギー転換の実現においては天然ガスも重要であるとの立場も示し、黒海で最大の天然ガス採掘プロジェクト、ネプチューン深海(Neptun Deep)を紹介(2025年3月31日記事参照)。同プロジェクトが最大生産能力に達すると、EU域内で最大の天然ガス生産国としてのルーマニアの地位が確かなものになると強調した。

写真 スピーチするブショイ次官(ジェトロ撮影)

スピーチするブショイ次官(ジェトロ撮影)

写真 フォーラムの様子(ジェトロ撮影)

フォーラムの様子(ジェトロ撮影)

このほか、上記エネルギー関連国営企業3社による各社事業の説明、パナソニックと川崎重工業による水素を活用したルーマニアにおける脱炭素プロジェクトの紹介、ジェトロ・ブカレスト事務所、NEDO、経済産業省通商政策局によるルーマニア進出のための公的支援に関する説明などが行われた。経済産業省は「ウクライナ復興支援・中東欧諸国等連携強化事業」を紹介し、日本企業がウクライナ現地だけではなく、ルーマニアなどの中東欧諸国などで実施するウクライナ復興に資する実証事業に対する補助の概要を説明した。また、NEDOとルーマニア・エネルギー省は、フォーラムに先立ち、応用研究と技術開発におけるイノベーション促進に関する協力覚書(MOU)を締結外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

(藤嶋哲式、森友梨)

(ルーマニア、日本)

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