ポーランド投資・貿易庁、投資フォーラムを大阪で開催、日本からの投資に期待

(ポーランド、日本)

調査部欧州課

2025年10月02日

ポーランド投資・貿易庁(PAIH)は930日、大阪で「ポーランド・日本投資フォーラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を開催した。

開会に当たり、ミハウ・ヤロス開発・技術省副大臣は、520日のフォーラム(2025年5月22日記事参照)はポーランドの対日輸出拡大に焦点を当てたが、今回はポーランドへの投資誘致に焦点を当てると、同フォーラムの目的を説明した。また、エネルギーや半導体、防衛、宇宙産業の分野に協力の余地があると述べた。ジェトロの片岡進副理事長はポーランドについて、内需の拡大、中間層の成長、EU復興基金に下支えされた大規模プロジェクトがあることに言及し、日本企業に投資のチャンスがあると述べた。

写真 フォーラム会場の様子(ジェトロ撮影)

フォーラム会場の様子(ジェトロ撮影)

基調講演では、パベウ・プドゥオフスキPAIH副長官が登壇し、交通・輸送インフラが発展していることや、大学などの高等教育機関が全国に点在して優秀な人材を確保しやすいことを挙げ、ポーランドの投資先としての魅力を訴えた。続いて登壇した石賀康之ジェトロ・ワルシャワ事務所長は、日本企業の商機がある分野として、ポーランドの成長戦略の観点からエネルギー、インフラ、地政学的位置付けの観点から防衛、ウクライナ復興支援、日本の強みの観点から食、デジタルコンテンツ、ヘルスケア、電気自動車(EV)、電池サプライチェーンを挙げた。

フォーラムの後半では、会場を分けて産業分野ごとに6つのパネルディスカッションが行われ、筆者が聴講した3分野ではいずれも、日本企業による投資への期待がうかがえた。インフラ分野では、ポーランド交通ハブプロジェクト(CPK、注)のフィリップ・チェルニツキ取締役会会長が、公共入札の門戸は日本企業にも開かれていると述べ、鉄道部品やインフラ管理に要するIT分野での投資に期待を示した。グリーントランスフォーメーション(GX)分野では、ポーランド風力発電協会のシモン・コバルスキ副会長が、再生可能エネルギー(再エネ)の導入は進展しているものの、道半ばにあり、再エネのほか、蓄電や送電網の整備など幅広い分野への投資を歓迎するとした。半導体分野では、ヤロス開発・技術省副大臣が安全保障の観点から国内での半導体製造に意欲を示し、半導体製造に強みを持つ国・地域として、日本、台湾、韓国を挙げ、誘致への期待を述べた。

(注)ポーランド中央部に新たな空港を建設し、鉄道と道路のアクセスを整備するフラッグシッププロジェクトのこと。

(齊藤圭)

(ポーランド、日本)

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