ポーランド製品の日本への販路開拓を目指し、貿易フォーラムを大阪で開催

(日本、ポーランド)

大阪本部海外ビジネス推進課

2025年05月22日

ポーランド投資・貿易庁(PAIH)は520日、大阪・関西万博を契機に、同国の農林水産・食品、化粧品、グリーンテクノロジー、IT・フィンテック、医療・医薬品、ゲームなどの業界関係者が来日する機会を捉え、「ポーランド・日本貿易フォーラム」を大阪で開催した。ポーランドの経済概況や両国の経済関係、対日輸出拡大に関するに関する講演が行われた。

冒頭で、ポーランドのミハウ・ヤロス開発・技術副大臣は、両国は外交関係において重要なパートナーであることのみならず、技術、イノベーション分野をはじめとするビジネス面でも戦略的関係を有すると指摘した。他方、貿易においては対日輸入額が対日輸出額に対して6倍に達しており、不均衡状態の改善に向け、今回、ポーランド製品の日本市場への販路開拓を目指し、同フォーラムを開催した、と語った。

写真 開会あいさつを行うミハウ・ヤロス開発・技術副大臣(ジェトロ撮影)

開会あいさつを行うミハウ・ヤロス開発・技術副大臣(ジェトロ撮影)

ポーランドの経済学者で、欧州議会議員のヤヌシュ・レバンドフスキ氏はポーランド経済の強みとして、EU域内で経済規模が6位と比較的大きいこと、市場経済化以降、経済成長を続けていること、GDP当たりの公的債務割合が小さいこと、安定的な対内直接投資の流入、良質な労働力を比較的安価で獲得できること、高等教育を受けた労働者数が多いことなどを挙げた。また、順調な経済成長を受け、購買力平価(PPP)ベースでのポーランドの1人当たりGDPが2025年に日本を追い抜く見込みだと強調。輸出額が年々拡大している中で、日本に対しては日EU・EPA(経済連携協定)に基づく貿易円滑化を糧に販路開拓を強化していくべきだとし、日本市場においてポテンシャルのあるポーランド製品・サービスについてはゲーム、医療機器・製薬、化粧品、情報通信技術(ICT)分野と述べた。

近畿経済産業局国際部国際課の村上圭子調整企画官は、両国の経済関係や関西地域の産業の特徴について説明した。ポーランドおける日系企業拠点数は2023年10月時点で360社に上り、主要な進出企業にはパナソニック、ダイキンなど関西企業が含まれているとした。関西地域の特徴・強みについては、大学・研究機関が集積しており、スーパーコンピュータや放射光施設といった研究開発用インフラのみならず、蓄電池や水素、再生医療といった最先端産業において研究から生産に至る一貫した体制がそろっている点を挙げ、産学連携に積極的な地域のため、ポーランドとの連携が進んでほしい、と語った。

大阪市経済局戦略局の和田彩理事は、大阪市はイノベーション創出に重点を置き、スマートシティー、再生可能エネルギーなどの分野で海外との連携・交流を推進しており、両国の経済関係強化に向け、ポーランド企業が今回のフォーラムのみならず、何度も大阪に来ていただけるとありがたい、と述べた。

(齋藤寛)

(日本、ポーランド)

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