ルワンダ政府が大阪で投資セミナー実施、ビジネス環境と進出の鍵を紹介

(ルワンダ)

企画部企画課

2025年10月15日

ルワンダ政府主催の投資セミナーが9月30日、大阪で開催された。ルワンダ開発庁(RDB)は講演で、同国のビジネス環境と投資機会について、アフリカの中では比較的安全な国の1つでガバナンスの透明性が高く、ビジネスに取り組みやすい環境だと紹介した(2024年10月16日記事参照)。さらに、アフリカ域内外へのアクセスについて、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)、東アフリカ共同体(EAC)、東南部アフリカ市場共同体(COMESA)などの域内協定に加盟していることに加え、EUとの経済連携協定(EAC-EU EPA、注)へ署名しているとした。投資家向けには24時間対応のワンストップセンターと優遇制度を整備し、イノベーション・エコシステムの形成にも取り組んでいると説明された。

ルワンダのビジネス環境をテーマとしたパネルディスカッションでは、現地での起業状況や日本企業への示唆が議論された。現地では小規模ビジネスから起業するケースが多く、ビジネス構築には社会課題や現地ニーズを正確に把握し、日本の技術と結び付けることや、現地資源の活用が重要とされた。また、登壇者らは、ルワンダは他国からも注目を集めており、人材やビジネス機会の競争が激化しているため、早期のパートナーシップ構築と継続的な関与が成功の鍵と強調した。

続くパネルでは、進出済み日本企業が現地ビジネスの実態や課題を共有した。進出の動機として、アフリカの中では比較的良好な治安や清潔な環境、投資誘致に積極的な政府姿勢が挙げられたほか、公用語の1つとして英語がビジネスの場で広く使われている点や、市場規模の小ささが初めての海外展開に適しているとの意見もあった。一方で、規制や手続きの複雑さ、法律の未整備、規制の厳格な適用が事業停滞の要因となるとの課題も共有された。成功の鍵として、RDBなど行政機関との連携や信頼できるパートナーの確保、リスク管理の徹底、インターンシップを通じた人材交流が挙げられた。

写真 登壇者によるフォトセッション(ジェトロ撮影)

登壇者によるフォトセッション(ジェトロ撮影)

(注)2016年に署名された協定で、域内産品のEU市場への無関税アクセスなどを規定している。ルワンダは署名済みだが未批准で、EAC全体としても発効していない。現在は加盟国ごとにEUとの2国間EPA締結が可能となっており、加盟国のうち、ケニアのみが批准している(2023年6月23日記事参照)。

(梶原大夢)

(ルワンダ)

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