9月の消費者物価指数上昇率は前年同月比2.65%、1年4カ月ぶりの高水準
(インドネシア)
ジャカルタ発
2025年10月08日
インドネシア中央統計庁(BPS)が10月1日に発表した2025年9月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で2.65%上昇した(添付資料図参照)。前月(同2.31%上昇)から0.34ポイント上昇し、2024年6月以来1年4カ月ぶりの高水準となったものの、依然としてインドネシア中央銀行(BI)が定めるインフレ目標圏内(1.5~3.5%)に収まっている。なお、価格変動の大きい食品やエネルギーを除いたコアインフレ率は前年同月比2.19%で、前月(2.17%)からやや加速した。
主要11品目のうち9品目で上昇した。前年同月比で最も上昇率が高かったのはパーソナルケア・その他サービス(9.59%)で、金や宝飾品の価格上昇が影響して前月の8.66%から大きく加速した。同品目の上昇に関し、BPS生産統計部のハビブラ次官は「金と宝飾品は2023年9月から25カ月連続でインフレが継続している。2025年9月は過去5カ月で最も高い」と述べた(「ビスニス」10月1日)。続いて、食品・飲料・たばこが5.01%、医療が2.01%の順で高い伸びとなった。一方、情報・通信・金融サービス(マイナス0.31%)と輸送(マイナス0.15%)は下落した(添付資料表参照)。
ガジャマダ大学経済・経営学部のウィスヌ・スティアディ・ヌグロホ准教授は、供給面では季節・輸送要因により一部地域で市中への供給量が減少する事例が生じ、需要面では家計消費の増加と政府の無料栄養食(MBG)プログラムが一時的に需要を押し上げた結果、需給の不均衡が発生したと分析した。その上で、卵・食用油・鶏肉などの原材料費の高騰は零細・中小企業の生産コストを押し上げ、価格転嫁につながり得ると警鐘を鳴らした(「ガジャマダ大学ウェブサイト」10月2日)。
(八木沼洋文、デシー・トリスナワティ)
(インドネシア)
ビジネス短信 25818d14e74472fe