インド最大級の航空宇宙・防衛産業展示商談会、チェンナイで開催
(インド)
チェンナイ発
2025年10月17日
インド最大級の航空宇宙・防衛産業展示商談会「航空宇宙・防衛会議(Aerospace & Defence Meetings Chennai 2025)」が10月7~9日、インド南部タミル・ナドゥ(TN)州チェンナイのチェンナイ貿易センターで開催された。航空機製造大手のボーイングやエアバスをはじめ、米国、フランス、オーストラリア、日本など19カ国から320社が参加した(主催者発表)。会期中の参加者数は1,300人に上り、6,000件の商談が実施された。
開会式のあいさつに立ったM・K・スターリン州首相は、TN州が2022年航空宇宙・防衛産業政策をまとめていることも踏まえて、同州が航空宇宙・防衛産業の製造拠点となることを期待し、「『TN州防衛産業回廊(注)』が今後、重要な役割を果たすだろう」と述べた。
インド国内における航空需要は拡大の一途にあり、2025年2月の政府発表によると、年間航空旅客数は3億5,000万人を突破し、インドは世界3位の航空市場となっている。航空旅客者数の増加を受けて、2023年以降、大手航空会社エア・インディアは570機の航空機を、格安航空会社インディゴは900機超の航空機を発注している。また、インド政府は、2014~2024年に83カ所の空港を開設しており、今後5年間でさらに50の空港を新設し、2047年までには合計350~400に増設する計画だ。
商談会に参加したインド企業の担当者は、「これまでインドの防衛産業向けに部品を納めており、インド軍部の高い品質と耐久基準をクリアした実績があるため、今後、拡大する民生航空産業にも取引を拡大したい」と参加の目的を語った。
欧米企業もインドへのアプローチを活発化させており、エアバスは9月30日、エア・インディアとパイロット訓練施設の設立計画を発表、英国のロールス・ロイスと地場ヒンドゥスタン・エアロノーティクス(HAL)の合弁企業インターナショナル・エアロスペース・マニュファクチャリング(IAMPL)は、総額20億ルピー(約34億円、1ルピー=約1.7円)にのぼる、ジェットエンジン製造施設の拡張計画を発表している(2025年9月22日記事参照)。
展示商談会の商談の様子(ジェトロ撮影)
(注)インド政府が2019年1月に発表した政策。回廊の重点開発地域として、チェンナイ、ホスール、セーラム、コインバトール、ティルチラーパッリが設定された。
(白川佳奈)
(インド)
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