ジェトロ、SEMICON WESTの機会を捉えて米アリゾナ州にビジネスミッション派遣

(米国)

ロサンゼルス発

2025年10月17日

ジェトロは1057日、米国アリゾナ州に日本企業による投資環境視察ミッションを派遣した。同州へのミッション派遣は202210月(2022年11月4日記事参照)、202411月(2024年11月21日記事参照)に続いて3回目。

アリゾナ州は、台湾積体電路製造(TSMC)、インテル、アムコー・テクノロジーをはじめ多くの半導体関連企業が拠点設立や投資拡大を進めるなど、米国内でも半導体産業の一大集積地として注目を集めている。今回のミッション派遣は、北米最大の半導体関連の展示会「SEMICON WEST」が初めて同州で開催される機会を捉えて実施したもの。半導体関連企業のほか、物流、金融機関、商社など3250人が参加した。

ミッション団は106日に、アリゾナ商業公社(Arizona Commerce AuthorityACA)とフェニックス都市圏経済協議会(Greater Phoenix Economic CouncilGPEC)主催のイベント「アリゾナ・セミコンダクター・リーダーシップ・デイ」に参加した。主催者によると、台湾から約110人、日本からはミッション参加者を含めて約70人が参加するなど、17カ国・地域以上から合計約600人が同イベントに参加した。TSMC、インテル、アムコー・テクノロジーなど半導体関連企業によるパネルディスカッションをはじめ、同州の投資インセンティブ、研究開発(RD)、労働開発動向についてプレゼンテーション・議論が行われた。

写真 アリゾナ・セミコンダクター・リーダーシップ・デイの様子(ジェトロ撮影、10月6日)

アリゾナ・セミコンダクター・リーダーシップ・デイの様子(ジェトロ撮影、10月6日)

冒頭あいさつを行ったケイティ・ホッブス知事(民主党)からは、同州では2020年以降、60件以上、2,050億ドル以上の半導体産業の新規・拡大投資が行われ、約25,000人の新規雇用が創出されるなど、国際的なパートナーシップのおかげで同州が米国の半導体製造復活の中心地となっていることなどが強調された。

また、半導体産業パネルに登壇したTSMCアリゾナのローズ・カスタナレス社長は、アリゾナ州の半導体エコシステムについて「近くにサプライヤー、パートナー、研究機関があり、優秀な人材にアクセスできることが成長の増幅装置となっている。特に人材については、地元教育機関の労働プログラムへの協力もあり、当社技術者の90%がアリゾナ州出身者となっている」と述べた。

同イベントでは、オプショナルツアーとして、TSMCやインテル、アリゾナ州立大学をバスで視察した。106日にはアムコー・テクノロジー投資拡大に関する発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)をしたが、バスツアーでは同施設建設予定の敷地も見学した。

写真 TSMC工場建設地(ジェトロ撮影、10月6日)

TSMC工場建設地(ジェトロ撮影、10月6日)

また、ミッション参加者は、現地日系団体であるアリゾナ日本企業懇話会(JBAA)との意見交換会にも参加した。JBAAからはアリゾナの生活環境や教育環境などのプレゼンが行われ、現地情勢についてミッション参加者との間で積極的な意見交換が行われた。そのほか、ミッション参加者は、SEMICON WESTが行われるフェニックス・コンベンションセンター内の会場で行われたジャパンフォーラムなどにも参加した(2025年10月17日記事参照)。

ミッション参加者からは、「最近アリゾナという名前はよく聞くようになってきたものの訪問するのは初めて。効率的に情報収集ができた上、来てみないとわからないポテンシャルを感じた」「ミッション中にさまざまなコネクションができたので、ぜひ今回の機会を生かしたい」といった声が聞かれた。

写真 ミッション参加者集合写真(ジェトロ撮影、10月6日)

ミッション参加者集合写真(ジェトロ撮影、10月6日)

(柴原友範、堀永卓弘)

(米国)

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