欧州委、鉱物調達の一層の透明化に向け、事業者向けプラットフォーム開設

(EU)

ブリュッセル発

2025年10月08日

欧州委員会は10月1日、事業者が鉱物調達に係るデューディリジェンス関連の方針や実施状況を登録・公開できるオンライン・プラットフォーム「ReMIS」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)を立ち上げた(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。事業者の参加は任意で、EUのデューディリジェンス関連法令(注2)に基づき課される法的義務に影響はない。

鉱物調達に関し、EUでは2021年1月に紛争鉱物規則外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが全面適用開始となり、紛争地域や高リスク地域からスズ、タンタル、タングステンおよび金を調達する事業者に対し、調達鉱物資源が紛争や人権侵害を助長していないことを確認することが義務付けられた。また、2023年8月施行のバッテリー規則(2023年8月21日記事参照)では、原材料のリチウムやコバルトなどの調達における人権および環境関連のデューディリジェンス要件を定めた。

ReMISは、こうした「責任ある鉱物調達」関連施策の一環として開設され、あらゆる鉱物・金属を対象とする。鉱物サプライチェーンおよびバリューチェーン上の全ての事業者に参加を呼びかけることで、EUの鉱物・金属サプライチェーンの透明性や信頼性の向上が期待される。参加事業者は所定のページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでアカウント登録後、自社の取り組みを紹介できるほか、ReMISを通じて幅広い関係者間でのベストプラクティスの共有も可能だ。

なお、欧州委は、川下企業が任意で金属・鉱物に係るデューディリジェンス関連情報を公開できるオンライン・プラットフォームも開設予定だ。

(注1)「Responsible Minerals Information System(責任ある鉱物情報システム)」の各単語の頭文字をとった名称。

(注2)調査レポート「EU人権・環境デューディリジェンス法制化の最新概要」(2025年5月)参照。

(滝澤祥子)

(EU)

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