ジェトロ、「日・カーボベルデ ビジネスフォーラム」開催
(カーボベルデ、日本)
調査部中東アフリカ課
2025年10月16日
ジェトロは10月9日、「日・カーボベルデ ビジネスフォーラム」を主催した。カーボベルデ外務・協力・地域統合省が共催し、翌10日の2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)のカーボベルデナショナルデーに合わせて訪日したジョルジェ・サントス海洋相らが登壇した。日本側から企業関係者など約50人が参加した。
ジェトロの鈴木崇文理事は開会あいさつで、2025年は日・カーボベルデの国交50周年で、8月に横浜市で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)で高まったモメンタムを生かして、両国間の貿易経済関係を促進したいと述べた。
ジョルジェ・サントス海洋相は主賓あいさつで、カーボベルデの国土面積はわずか4,033平方キロだが、海洋開発が重要だとした。また、マグロをはじめとした漁業分野で日本企業がビジネスに取り組んでいることを紹介し、日本の漁業における大西洋の中部地域の物流拠点としてポテンシャルがあるとした。そのほか、飲料水供給や灌漑のために淡水化技術にニーズがあり、淡水生産とその利用は日本にとって投資機会になると述べた。さらに、日本からの投資を呼び込むため、将来的な在日大使館の開設を検討していると述べた(注)。
ジェイルソン・オリベイラ貿易投資促進庁長官は、カーボベルデは腐敗認識指数で上位にランクインするなど、ガバナンスが健全で(2025年2月19日記事参照)、世界銀行が2025年7月に同国を「低中所得国」から「高中所得国」に格上げしたとして、政治経済の安定性をアピールした。通貨カーボベルデ・エスクードもユーロと固定相場制を採用しており、投資家にとっては予見性があるとした。また、GDPの25%を占める観光業が主要産業だとし、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)やソフトウエア開発などのデジタル産業も有望で、政府は2026年までにGDPの8%を占める規模を目標に、デジタル産業を拡大していきたいと述べた。加えて、エネルギーミックスで再生可能エネルギー比率を2040年までに100%にし、2050年までに全ての自動車を電気自動車(EV)化する目標を掲げていると述べた。
フォーラム後は両国の参加者で活発なネットワーキングが行われた。
ジョルジェ・サントス海洋相による開会あいさつ(ジェトロ撮影)
セミナー閉会後のネットワーキング(ジェトロ撮影)
(注)現在、在中国のカーボベルデ大使館が日本を兼轄している。
(坂根咲花、波多野瞭平)
(カーボベルデ、日本)
ビジネス短信 12806fcb506d3a94