英政府、地方テックのプロジェクト14件へ支援決定
(英国、米国)
ロンドン発
2025年10月09日
英国科学・イノベーション・技術省(DSIT)は10月1日、「地域テック活性化プログラム」の支援対象となる14件のプロジェクトを公表した。
本プログラムは、首都ロンドン以外の地域のイノベーション促進と成長強化を図る目的で、2025年7月にDSITが組成した。ロンドンとその他地域間のテックエコシステムの格差の縮小を図るため、起業家支援や資金調達、スキル開発などで公的支援を行うもの。
本プログラムの運営は、地域テック組織の協働ネットワークであるUKテック・クラスター・グループ(UKTCG)と英国政府が連携して行う。プログラム全体の予算規模は100万ポンド(約2億400万円、1ポンド=約204円)に上り、ロンドン以外の地域の企業や起業家を対象に、専門家の指導、ネットワーク構築、地域コミュニティ内での事業拡大へ向けた支援を提供する。地域の技術クラスターに注目し、ロンドンなど首都以外の地域に投資を誘導する「国家投資回廊」構想に基づく投資イベントも組み込まれている。最初の2回は、2025年後半にイングランド南西部のブリストル、およびイングランド北部のリーズでそれぞれ開催される予定。同イベントは2025年から2026年にかけてその他地域でも開催される。
支援が決定した14件のプロジェクト(添付資料表参照)は、事業がもたらすインパクトなど、次の4つの基準によって採点された。
- 地域エコシステムが直面する課題の理解
- 包括的なテックコミュニティの育成
- 測定可能かつ持続可能な事業のインパクトの証明
- イノベーションの推進
英国全土でテクノロジー関連事業の発表が相次ぐ中、今回のプログラムはそれらに続くかたちだ。2025年9月には「米英技術繁栄協定に関する覚書」(2025年9月22日記事参照)の締結やそれに関連する大型投資案件の発表(2025年9月19日記事参照)、そしてイングランド北東部への新たなAIグロースゾーン(AIGZ)の設置が打ち出された。
(バリオ純枝)
(英国、米国)
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