日韓首脳、社会・科学分野での協力を強調

(韓国、日本)

ソウル発

2025年10月03日

石破茂首相は9月30日、韓国の釜山で李在明(イ・ジェミョン)大統領と日韓首脳会談を行った。今回で3度目となる石破首相と李大統領の会談では、両国間の実質的な協力強化方策およびグローバルでの協力必要性に関して幅広い意見交換が行われた。

特に、両首脳は、8月23日の前回会談(2025年8月25日記事参照)で議論した人口減少や高齢化、地方創成など、「日韓共通の社会問題への対応にかかる当局間協議体PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」の運用方法で合意した。また、人工知能(AI)を含む科学技術分野における協力の議論のため、日韓科学技術協力委員会を開催していくことでも合意した。さらに、両首脳は、激変する地政学的環境と貿易秩序において、日韓両国が連携して対応すべく、安全保障、経済安全保障分野における戦略的な意思疎通を継続していくことを確認した。

なお、石破首相は首脳会談に先立ち、2001年に東京の新大久保駅で線路上に転落した日本人を救おうとして亡くなった李秀賢(イ・スヒョン)氏の墓所を訪問し、献花した。

韓国の各メディアは、石破首相の韓国訪問について次のとおり報じている。

  • 日韓首脳が38日ぶりに再会したのは「シャトル外交」の復元・定着の観点で意義が大きい。ソウル以外で日韓首脳会談が行われたのは2004年の当時の小泉首相の訪韓(済州島を訪問)以来だ(2025年9月30日付、「NEWS1」)。
  • 李大統領は、石破首相に対して、退任後も日本の政界の重鎮として日韓関係のために積極的な役割を果たしてほしいと依頼したものとみられる(2025年9月30日付、公共放送「KBS」)。

(李海昌)

(韓国、日本)

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