米ニューヨーク市長選の各種世論調査で民主党マムダニ氏がリード

(米国)

調査部米州課

2025年09月11日

11月のニューヨーク(NY)市長選挙を前に、各種世論調査で民主党候補のゾーラン・マムダニ氏(NY州議会議員)が他の候補者を抑えリードしている。

コネティカット州のキニピアク大学は9月10日、NY市長選挙などに関する世論調査結果(注1)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによれば、NY市長選を想定した問いでは、マムダニ氏の支持率が45%と1位で、アンドリュー・クオモ前NY州知事(23%、無所属)、カーティス・スリワ氏(15%、共和党、注2)、エリック・アダムス市長(12%、無所属)が続いた。

「日に日に激しさを増している市長選において、選挙日まで2カ月を切った今、マムダニ氏は追い風を受けている」と、同大学世論調査副ディレクターのメアリー・スノー氏は述べた。

マサチューセッツ州ボストンのエマーソン大学が9月に実施した同様の世論調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注3)でも、マムダニ氏が43%と1位で、クオモ氏(28%)、スリワ氏(10%)、アダムス氏(7%)が続いた。

また、「ニューヨーク・タイムズ」紙とシエナ大学が9月に実施した世論調査(注4)でも、マムダニ氏が46%と1位で、2位以下はクオモ氏(24%)、スリワ氏(15%)、アダムス氏(9%)だった。マムダニ氏は、年代別では若い層(18~29歳で73%、30~44歳で62%)に強く支持される。

マムダニ氏とクオモ氏の対戦を想定した問いでは、マムダニ氏の支持率が48%、クオモ氏が44%となり、クオモ氏が迫る可能性もみられる。

マムダニ氏とアダムス氏の直接対決を想定した問いでは、マムダニ氏の支持率が55%とアダムス氏(36%)を上回った。

ドナルド・トランプ大統領の側近たちは、NY市長選をマムダニ氏とクオモ氏の対決にするため、スリワ氏とアダムス氏に立候補を断念させる方法を検討している、と報道されている。アダムス氏には住宅都市開発省や駐サウジアラビア大使というポストが検討されているが、スリワ氏への具体的ポストは明らかになってない(NBCニュース9月8日)。

マムダニ氏は、イスラエルのガザ攻撃を激しく批判している。スリワ氏は、トランプ氏のNY市長選介入の影響を懸念しており(2025年8月12日記事参照)、トランプ氏がマムダニ氏への支持を下げたいのであれば、ガザへの攻撃を終わらせるべきだと指摘した(CNN9月8日)。

(注1)実施時期は2025年9月4~8日。対象者はNY市長選の投票予定者967人。

(注2)犯罪防止団体「ガーディアン・エンジェルス」の創設者。

(注3)実施時期は2025年9月7~8日。対象者はNY市の有権者600人。

(注4)実施時期は2025年9月2~6日。対象者はニューヨーク市長選の投票予定者1,284人。

(松岡智恵子)

(米国)

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