米ニューヨーク市長選の共和党候補者、トランプ大統領の介入を牽制
(米国)
調査部米州課
2025年08月12日
11月に実施される米国のニューヨーク(NY)市長選では、左派といわれるゾーラン・マムダニ氏(NY州議会議員、2025年6月27日記事参照)が民主党候補となった。ドナルド・トランプ大統領はNY市で不動産を所有しており、民主党予備選で勝利して注目されるマムダニ氏を「共産主義者」と攻撃し、同氏の政治姿勢を懸念して選挙介入する意向もあるといわれる(「ニューヨーク・タイムズ」紙8月6日)。
共和党候補のカーティス・スリワ氏(注1)は8月9日、テレビ局のインタビューで、トランプ氏の選挙介入を牽制する発言を行った。スリワ氏は、トランプ氏が介入すれば、左派勢力の強いNY市ではマムダニ氏を逆に勢いづかせることになるとしている。
予備選で敗れて無所属候補として立候補するアンドリュー・クオモ前NY州知事は、トランプ氏に選挙への協力を求めたともいわれているが、クオモ氏は否定している(CNN8月8日)。
調査会社のゼニス・リサーチとパブリック・プログレス・ソリューションズが7月に実施した世論調査(注2)によると、NY市長選を想定して誰に投票するかという問いに、マムダニ氏は58%で1位だった。クオモ氏(37%)、エリック・アダムス市長(27%)、スリワ氏(26%)が続いた。クオモ氏、アダムス氏ともに無所属候補となる。
マムダニ氏とアダムス氏、クオモ氏の直接対決を想定した設問でも、マムダニ氏が59%(対アダムス氏)、52%(対クオモ氏)と過半の支持を獲得した。
(注1)犯罪防止団体「ガーディアン・エンジェルス」の創設者。
(注2)実施時期は7月16~24日、対象者はNY市の投票予定者1,021人。4カ国語(英語、スペイン語、中国語、ベンガル語)で実施された。
(松岡智恵子)
(米国)
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