カタール、イスラエルの攻撃を非難とともに中東和平の仲介役継続を表明

(カタール、イスラエル、米国)

ドバイ発

2025年09月11日

イスラエルは9月9日にカタールの首都ドーハで、ハマス幹部を標的に空爆した(2025年9月10日記事参照)。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラ、CNN、ロイター通信などのメディアの報道によると、カタールのムハンマド・ビン・アブドゥッラフマーン・アル・サーニ首相は同日に記者会見を開き、「今回の攻撃は国家テロだ」と述べ、イスラエルの攻撃を非難した。他方で、これまでカタールが担ってきた中東和平における仲介役については今後も継続していく意思を表明した。

米国のドナルド・トランプ大統領は同日にタミム・アル・サーニ首長と電話会談を実施した。「ガルフタイムス(GULF TIMES)」などのカタール側の報道によると、トランプ大統領はカタールへの連帯と、その主権に対する攻撃を非難する意向を表明した。タミム首長は、カタールは自国の安全保障と主権を守るために必要なあらゆる措置を講じるとともに、公正な人道的事業を通じて国際的な平和と安全を促進するという建設的な姿勢を継続すると強調した。同首長は、米国以外にも周辺湾岸諸国をはじめ各国首脳と電話会談を実施し、和平交渉継続に向けた連携を強調している。

なお、9月9日の「ガルフタイムス」は、今回の空爆で任務にあたっていた国内治安部隊爆発物処理班の1人が死亡、さらに他の治安要員数名も負傷を負ったと内務省が発表したと報じている。

(清水美香)

(カタール、イスラエル、米国)

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