日立エナジー、ブラジルに変圧器の新生産拠点建設を発表
(ブラジル、日本)
サンパウロ発
2025年09月02日
日立製作所の子会社で送配電事業を展開する日立エナジーは8月19日、ブラジルのサンパウロ州ピンダモニャンカバ市に変圧器の新生産拠点を建設すると発表した(注1)。現地紙「タイムズ・ブラジル」(8月26日付)のインタビューで、同社のルイス・ラモス・チーフコミュニケーションズ&ガバメントリレーションズオフィサーは「エネルギー移行や人工知能の進展により電力需要が増加しており、変圧器は電力供給拡大に不可欠である」と述べた。
ピンダモニャンカバ市の公式サイト(8月27日付)によると、新拠点は80万平方メートルの敷地に2028年半ばまでに4万6,300平方メートルの新工場が建設される予定。450人の直接雇用と約1,800人の間接雇用を創出する見込み。市税〔都市不動産所有税(IPTU)およびサービス税(ISS)〕(注2)が15年間免除されるほか、市政府は建設計画審査の迅速化や水道・電力のコンセッション企業との交渉支援を行う方針を示している。
日立エナジーのアレシャンドレ・マルベイロ変圧器ビジネスユニット中南米ハブ責任者は、現地紙「バロール」(8月20日付)のインタビューで、新拠点は輸出を前提に建設されると説明した。また、同社公式リリース(8月19日付)では、ピンダモニャンカバ市が選定された理由として、主要港であるサンパウロ州のサントス港およびリオデジャネイロ州のイタグアイ港へのアクセスの良さが挙げられている。
(注1)日立エナジーは現在、サンパウロ州のグアルーリョス市およびサンタカタリーナ州ブルメナウ市に生産拠点を有する。同社は2024年9月に、グアルーリョス工場拡大や新拠点建設などに2億ドルを投資すると発表した。今回の公式リリースによると、2億ドルのうちの8割がピンダモニャンカバ市の新拠点に充てられる見込み。
(注2)市税の詳細は、ブラジルの税制を参照。
(エルナニ・オダ)
(ブラジル、日本)
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