日系自動車サプライヤーのアステモ、米ミシガン州に新施設の建設で9,500万ドル投資
(米国、日本)
シカゴ発
2025年09月05日
日系自動車部品・システムのサプライヤー大手アステモの子会社であるアステモ・アメリカズ(注1)は9月3日、米国ミシガン州ウィクソム市で9,500万ドルを投資し、地域本社を新たに建設すると発表した。この新規投資は、自動運転や電動化という自動車産業の進展にともなって複雑化するソフトウエアに対する要件に応えるもので、約10.5ヘクタールの敷地内に試験コースを含むテスト施設、エンジニアリング、ソフトウエア開発、マーケティング、管理部門などのオフィススペースを備える。
新施設の建設は2026年春に開始し、2027年秋の完成を予定している。また、同州デトロイト周辺地域で200の新規雇用が創出される見込みで、そのうち150以上のエンジニアリング職はソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)技術(注2)の開発に重点を置いたものとなる。アステモ・アメリカズのティム・クラーク最高経営責任者(CEO)兼社長は「ウィクソム市の新施設は、最先端技術の開発・発表に必要なスペースを確保し、さらなるエンジニアリング人材の獲得と顧客との連携強化を実現する」と述べた。
米ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事(民主党)は、「本日の投資の発表は、ミシガン州がビジネスに門戸を開放し、前進していることのさらなる証しだ」とし、「同州の自動車産業エコシステムを強化し、雇用と投資を州内に呼び戻すため、あらゆる関係者と協力する」と述べた。
同州の経済開発公社によると、新施設建設の候補地としてオハイオ州も候補地となっていた。なお、ウィットマー知事は、州内の各分野の官民リーダーからなる代表団とともに投資ミッションを率い来日した(2025年9月5日記事)。
(注1)アステモは日立製作所、ホンダ、JICキャピタルによる合弁会社。本社は日本。
(注2)車と外部との双方向通信機能を使って車を制御するソフトウエアを更新することによって、販売後でも新しい機能を増やしたり性能を高めたりできる次世代の自動車のこと。
(星野香織)
(米国、日本)
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