オーストラリア人の訪日客数の記録更新続く中、カンタス航空がスキーシーズンに増便

(オーストラリア、日本)

シドニー発

2025年09月26日

日本政府観光局(JNTO)が9月17日に発表した8月の訪日外客数(推計値、注)は342万8,000人で、8月として初めて300万人を超えた。オーストラリアからの訪日外客数は4万1,200人(前年同月比0.5%増)だった。同国からの2025年度1~8月の総数は65万8,600人で、前年同期の55万1,606人と比べ、伸び率は19.4%だった。減便などによって前年同期比で航空座席数が減少したものの、訪日旅行人気の継続を背景に、8月の同国の訪日外客数は過去最高を更新し、また、2025年は6月を除く各月で過去最高を記録した。

オーストラリア統計局(ABS)が8月14日に発表した2024/2025年6月期(過去12カ月の総計)の同国からの短期滞在の渡航先は、日本が約91万人で、前年度3位の米国(約75万人)を抜き、インドネシア(約174万人)、ニュージーランド(約141万人)に続いて第3位となった。新型コロナウイルス禍前の2018/2019年度と比べて、日本は2.9倍となり、上位10カ国の中で最も高い上昇率だった。オーストラリア旅行業協会(ATIA)最高経営責任者(CEO)のディーン・ロング氏は、オーストラリア人は身近なアジアを旅行先として選ぶ傾向があり、国際的な体験を求める中で、多様性に富み、文化的に豊かで価値の高い旅行を志向しているとした。

日本では、インバウンド(訪日外国人)向けの免税EC(電子商取引)プラットフォーム「タックス・フリー・オンライン」で、7月4日からアマゾン・ジャパンの商品取り扱いが始まった。オンライン上で購入した商品は、羽田空港と成田空港、関西空港の指定所でパスポートの提示と引き換えに受け取りができる。これにより、「モノの消費(買い物)」に費やす時間を削減し、「コトの消費(体験)」に多くの時間を充てられるようになり、タイムパフォーマンスを重視する旅行者のニーズに応えている(2025年7月23日記事参照)。

オーストラリアのカンタス航空は2025年12月15日から2026年3月28日まで週3便、シドニーから新千歳空港に直行便の季節運航の予定を発表している。例年、年末年始は同国で最も旅行需要が増える時期でもあり、スキーシーズンのピークに合わせて、この路線で2万席以上の座席数が提供される(カンタス航空、1月20日メディアリリース)。

(注)訪日外客数とは、法務省集計による出入国管理統計に基づいて算出したもので、外国人正規入国者から、日本を主たる居住国とする永住者などの外国人を除き、外国人一時上陸客などを加えた入国外国人旅行者のこと。駐在員やその家族、留学生などの入国者・再入国者は訪日外客に含まれるが、乗員は含まれない〔出典元:日本政府観光局(JNTO)〕

(山崎美樹)

(オーストラリア、日本)

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