インド、半導体拠点化へ加速、「SEMICON India」開催、日本との連携も深化
(インド)
ニューデリー発
2025年09月18日
インド半導体ミッション(ISM)と米国の国際半導体製造装置材料協会(SEMI)が共催する「SEMICON India 2025」が9月2~4日、首都ニューデリーのヤショブーミ国際展示センター(IICC)で開催された。3日間の会期中、半導体の設計や製造から公的な支援制度の紹介、半導体人材育成まで幅広いテーマでセッションが行われ、国内外の産業、政府関係者が一堂に会した。
開幕式にはナレンドラ・モディ首相が出席し、「世界はインドを信頼し、半導体の未来をインドとともに築く用意がある」「石油は前世紀を形作ったブラックゴールドで、チップは『デジタルのダイヤモンド』だ」と述べ、官民挙げたイノベーションと投資で、インドを世界における半導体設計・製造の有力拠点に押し上げる方針をあらためて示した。また、国内で自立的かつ将来に備えた半導体エコシステムの構築を目的として、12件の覚書の発表が行われた(添付資料表参照)。現地では、モディ首相のCEO(最高経営責任者)ラウンドテーブルでの発言が紹介され、インドを「最も有望な半導体投資先」と位置付ける政府の呼び込み姿勢が報じられた(「エコノミック・タイムズ」紙9月4日)。
政府広報によると、2025年は48カ国以上から2,500人超の代表者を含む約2万1,000人が参加し、350社以上が出展した。各国パビリオンや人材育成・スタートアップ専用エリアも設けられた。日本は米国、シンガポール、マレーシア、韓国と並び、来場上位国の一つとして存在感を示した。
ジェトロは8月、インド工業連盟(CII)、インド日本商工会(JCCII)と共同で、日本とインドとの経済安全保障協力の枠組みの下、半導体を重点戦略分野に位置付けた官民連携の深化を提言している(ジェトロの2025年8月28日付「お知らせ」参照)。今回のSEMICON Indiaでも、両国企業の協業連携を目的としたBtoBマッチングを会期中に実施し、日本企業を対象に延べ62の個別面談をアレンジした。
マッチングに参加した日本企業からは、「一般的な展示会場のブースでは来場客待ちの状態になってしまうが、インド企業をプル型で連れてきてもらい、ありがたかった」「インドでの半導体製造に向けたパートナー候補を見つけることができた。帰国後にオンライン会議で議論を進めていく」といった声が聞かれた。
(花村大樹、樋口史紀、川崎宏希)
(インド)
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